クリスマスイブの港町の漁師組合について

 冴木は、僕のサボり癖をよく知っていた。いつもなら授業中だという時間に教授室を訪れたのはそのせいだった。 

「それで、漁協全員が、不自然な死を遂げたんだ」と冴木が言った。「クリスマスイブに、なんだってアンハッピーなことが起きないといけないんだ」


さえきたまねぎ・作    小説投稿サイトにて公開中 「クリスマスイブに起きた奇跡について」

 5時、港食堂に少女を迎え入れた。少女はアジを食べ、骨もしゃぶりつくした。ゆっくりと食べていた。5時四十分僕は、少女が映らないようにSNSに投稿したが、添付写真はうまく映らなかった。|生き霊を飛ばしているからか、スマホをうまく操作できない。《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》「これから、俺は飲み会に出ないといけないから。」と僕はいって、少女も、「うん」と答えた。少女がお支払いをした後僕は飲み会に向かった。

 割り勘をしようなという約束だったのに全員が出ていって、合計の料金÷1より僕が全代金をお支払いすることになった。
 もうこれで6回目だ。
 恨んでやる——。


 その後、漁協全員が、不自然な死をとげた。

    *

 居酒屋の親父の証言

「飲み会は午後5時30分から始まって、浩介くんがきたのは5時40分だったよ。なんだか棒人間みたいな見た目だなと思っていたけど、6時ごろにもう一度見たら、その考えも嘘らしいとわかったね。」

    *

「冴木。いじめを受けていたのは、俺じゃなくてお前だったんだろ、漁協の飲み会で」
 浩介が言うと、冴木は無言で項垂れる。
「冴木、」浩介が冴木を諭す。「このまま食堂続けられるのか?」
「続けられそうにないね」と冴木が答える。「俺の一人称が変わったのは、俺の中に色々な人格があるからなのかもしれない。だから、(ぼく)は——。」

 冴木はそこで切って、「お前、漁協入ってるのか?」と聞いた。
「うん」と浩介は答えた。