送信者:會田ニヒコ（nihikokaida*****@*****.com）
宛先:文部科学省 初等中等教育局 教科書課 ご担当者様（*********.info@******.jp）

件名:【抗議】小学校国語教科書掲載「あるふうふ」に関する事実の歪曲と父の名誉毀損について

本文:
2022/05/13
文部科学省 初等中等教育局 教科書課 ご担当者様

拝啓
　貴省の検定を経て発行された、小学校国語教科書6年用に掲載されている作品「あるふうふ」について、強く抗議いたします。

　私は、同作品の題材とされた当事者の親族であり、掲載内容が事実と著しく異なり、故人の名誉を傷つけていることに深い憤りを感じております。

　教科書に掲載された作品では、二人の夫婦が仲睦まじく旅をし、池で遭遇した父子の霊を助けるような「不思議で少し怖い物語」として描かれています。しかし、実際の彼らの関係は憎しみ合いに満ちたものであり、あの池で起きたことは、決してそのような情緒的な怪談ではありません。

　特に、結末において奥さんが発した言葉の意図や、解説にある「二人はお互いのことが嫌いである」という凄惨な実情を伏せ、あるいは安易な「問い」として消費させることは、当事者が抱えていた真実の苦悩を冒涜するものです。教育の場において、悪意や殺意さえ孕んだ個人の悲劇を、子供たちの好奇心を煽るための「教材」として歪曲して提示することは、断じて許されることではありません。

　幽霊として現れた男や女の子、そして破綻していた夫婦の姿を、単なるホラーエンタメとして扱う貴省の教科書検定における判断基準に、重大な疑問を抱かざるを得ません。

　つきましては、以下の対応を速やかに行うよう要求いたします。
1. 当該教科書の即時回収、または該当ページの削除。
2. 事実を歪曲して掲載に至った検定基準の経緯および貴省の見解についての正式な回答。

　教育という名のもとに、故人や関係者の尊厳がこれ以上踏みにじられないよう、誠意ある対応を心よりお待ちしております。
　敬具