ある日、オレは仕事帰りに白いトラックに撥ねられ、気づいたら異世界に転移していた。
まだ二十代半ばだというのに、オレは現実世界で死んでしまって奇妙な世界に放り出されていた。
ここは、一言で古代中国のような異世界だった。元居た世界とは違い、相当文明レベルが低いみたいだ。携帯電話どころか電気もなく、鎧兜に身を包んだ兵士が街中を闊歩していて、何とかっていう王様が治めている国らしい。例えるなら三国志みたいな国だろうか。
幸い、何故か現地人と言葉は通じて意思疎通は可能だった。だが、ただそれだけ。漫画やアニメとかでよく見るチートスキルとかはオレには無く、金もないことからその日の食事すら事欠く有様だ。元々貧しい国らしく、仕事を探そうにも一つも見つからなかった。
仕方なく、オレは物乞いみたいな真似をしていたのだが、オレみたいな得体の知れない格好をした奴に施そうとする物好きな人間はいなかった。ゴミを漁ろうにも何もない。仕方なく、オレは街の外に出て木の実を食べて何とか飢えをしのいでいた。
そして、その日、いつものように街の外に出て木の実を探していた時、オレはとんでもない奴らと遭遇してしまった。
山賊である。
奴らはオレを見るなり剣を突き付け全身を縄で縛りあげてしまった。
そして、オレはそのまま攫われて、山賊どもがアジトに使っている洞窟まで連れて来られてしまった。
山賊どもはオレを簡易的な牢屋に放り込んだ。そこには恐らくオレと同様に攫われてきた若い娘達がいた。
きっと、この娘達は山賊どもの慰みものにされた後、奴隷として売られるんだろう。
暗い表情でうずくまる娘達を見て、オレは彼女たちを哀れに思った。もし、オレにチート能力があればこんな場所から助け出してやれるのに。
すると、近くにいた娘の一人が、オレに話しかけて来た。
「お気の毒に。貴方に神の御加護がございますように」
そう言って、その娘は涙ぐみながら両手を組んで祈るようなポーズを取って見せた。
まあ、若い男のオレはこのまま奴隷にされるか、そのまま奴隷商人とかに売られるんだろうな。でも、オレよりもあんた達の方がお気の毒様なんじゃないだろうか? 若い女性にとって貞操は命よりも大事なものに違いない。今からそれを散らされるんだから、オレなんかよりも哀れだろう。
すると、牢屋の外から足音が聞こえて来た。
三人の山賊が涎を垂らしながら牢屋の中に入ってくる。
「今日はご馳走だぜ」
山賊の一人はそう言って頬を染め、涎を垂れ流した。後ろにいる二人も同様の恍惚な表情を浮かべていた。
今からこの娘達を手籠めにするのか。何とかして助けてやれないものだろうか?
そんなことを考えていると、山賊たちが向かったのはオレの方。
「おい、来い。これからオレ達がお前を美味しくいただいてやるぜ」
おいおい、まさか、こいつら、そっちの気があるってのか⁉ オレは戦慄した。
まあいい。この娘達が穢されるよりはマシだ。オレは野良犬にでも噛まれたと思って事が済むまで天井の染みでも数えているとしよう。
そうして、山賊たちは引きずる様にオレを牢屋から連れ出した。
願わくば、あまりアブノーマルなプレイだけは止して欲しいと思った。
まだ二十代半ばだというのに、オレは現実世界で死んでしまって奇妙な世界に放り出されていた。
ここは、一言で古代中国のような異世界だった。元居た世界とは違い、相当文明レベルが低いみたいだ。携帯電話どころか電気もなく、鎧兜に身を包んだ兵士が街中を闊歩していて、何とかっていう王様が治めている国らしい。例えるなら三国志みたいな国だろうか。
幸い、何故か現地人と言葉は通じて意思疎通は可能だった。だが、ただそれだけ。漫画やアニメとかでよく見るチートスキルとかはオレには無く、金もないことからその日の食事すら事欠く有様だ。元々貧しい国らしく、仕事を探そうにも一つも見つからなかった。
仕方なく、オレは物乞いみたいな真似をしていたのだが、オレみたいな得体の知れない格好をした奴に施そうとする物好きな人間はいなかった。ゴミを漁ろうにも何もない。仕方なく、オレは街の外に出て木の実を食べて何とか飢えをしのいでいた。
そして、その日、いつものように街の外に出て木の実を探していた時、オレはとんでもない奴らと遭遇してしまった。
山賊である。
奴らはオレを見るなり剣を突き付け全身を縄で縛りあげてしまった。
そして、オレはそのまま攫われて、山賊どもがアジトに使っている洞窟まで連れて来られてしまった。
山賊どもはオレを簡易的な牢屋に放り込んだ。そこには恐らくオレと同様に攫われてきた若い娘達がいた。
きっと、この娘達は山賊どもの慰みものにされた後、奴隷として売られるんだろう。
暗い表情でうずくまる娘達を見て、オレは彼女たちを哀れに思った。もし、オレにチート能力があればこんな場所から助け出してやれるのに。
すると、近くにいた娘の一人が、オレに話しかけて来た。
「お気の毒に。貴方に神の御加護がございますように」
そう言って、その娘は涙ぐみながら両手を組んで祈るようなポーズを取って見せた。
まあ、若い男のオレはこのまま奴隷にされるか、そのまま奴隷商人とかに売られるんだろうな。でも、オレよりもあんた達の方がお気の毒様なんじゃないだろうか? 若い女性にとって貞操は命よりも大事なものに違いない。今からそれを散らされるんだから、オレなんかよりも哀れだろう。
すると、牢屋の外から足音が聞こえて来た。
三人の山賊が涎を垂らしながら牢屋の中に入ってくる。
「今日はご馳走だぜ」
山賊の一人はそう言って頬を染め、涎を垂れ流した。後ろにいる二人も同様の恍惚な表情を浮かべていた。
今からこの娘達を手籠めにするのか。何とかして助けてやれないものだろうか?
そんなことを考えていると、山賊たちが向かったのはオレの方。
「おい、来い。これからオレ達がお前を美味しくいただいてやるぜ」
おいおい、まさか、こいつら、そっちの気があるってのか⁉ オレは戦慄した。
まあいい。この娘達が穢されるよりはマシだ。オレは野良犬にでも噛まれたと思って事が済むまで天井の染みでも数えているとしよう。
そうして、山賊たちは引きずる様にオレを牢屋から連れ出した。
願わくば、あまりアブノーマルなプレイだけは止して欲しいと思った。


