そして――ミーシャの手が、最後に重ねられた。
柔らかくて、けれど芯の強さを感じさせる手。人を癒す聖女の手。
「私、もう迷いません。みんなと共に……最後まで、戦います。あの女は倒すべき敵。遠慮せずにぶっ飛ばしちゃって!」
ミーシャの声が、いつもの演技ではない素の声で響く。
五人の手が――重なり合った。
それぞれの鼓動が響き合う。それぞれの想いが、一つになっていく。
五つの魂が――溶け合っていく。
レオンは大きく息を吸った。
胸いっぱいに、空気を吸い込む。冷たい牢獄の空気が、肺を満たす。
そして――魂の底から、絞り出すように叫んだ。
「この世界の『運命』は――アルカナが変える!!」
その声が、牢獄に響き渡る。石壁を震わせ、鉄格子を揺らす。
「アルカナァァァァァ、ファイトォォォォォ!!」
レオンは魂を込め、絶叫した。
少女たちも呼応して、一緒に叫ぶ。
「おぉーー!」
「おぅっ!」
「おーー!」
「おぉぉぉぉ!」
五人の声が、一つになる。
それは、運命への挑戦状。
それは、絶望への反逆。
それは、未来への誓い。
そして――。
次の瞬間。
奇跡が――――起こった。
五人の魂が共鳴を始める。
最初は微かな振動だった。心臓の鼓動が、同じリズムを刻み始める。呼吸が、同じ波長で揃っていく。
やがて、それは目に見える形となって現れた。
見えない波動が、五人を中心に同心円状に広がっていく。空気が震え、空間が歪み、世界そのものが呼応する。
五つの魂が、それぞれの色を放ちながら輝き始めた。
エリナの黒曜石の煌めき。闇を切り裂く、鋭い光。
ミーシャの空色の輝き。全てを包み込む、慈愛の光。
ルナの紅蓮の炎。燃え盛る、情熱の光。
シエルの銀色の月光。静かに照らす、希望の光。
そして――レオンの翠色の光。全てを導く、運命の光。
五色の光が、螺旋を描きながら昇っていく。
優雅に。美しく。神々しく。
まるで、天に届く光の柱のように。
やがて、五人の魂が、一つの巨大な意志の奔流と化した。
それは、誰にも止められない。
何にも屈しない。
どんな運命にも、どんな絶望にも、どんな神の悪戯にも負けない。
ただ、前へ。前へ。前へと進む。
圧倒的な――意志の力。
次の瞬間。
レオンの胸の奥で、何かが光り始めた。
砕け散ったはずのスキル。
壊れたはずの力。
それが――再び、光を放ち始めたのだ。
けれど、その輝きは以前の穏やかな翠色の光ではなかった。
それは――。
世界の理そのものを焼き尽くすかのような。
神々の領域を侵すかのような。
荘厳なる、黄金色の閃光。
◇
眩い。
あまりにも、眩い。
直視できないほどの、圧倒的な光が、牢獄を満たしていく。
おぉぉぉぉぉ……。
重低音のパイプオルガンのような荘厳な音が響く。それは風の音か、光の音か、それとも世界そのものが発する声か。
レオンの髪が、光を浴びて天へと靡いていく。重力に逆らい、まるで水中にいるかのように、ゆらゆらと揺れる。
レオンの脳内に、文字が浮かび上がってきた。
まるで、古き神の言葉のように。世界の真理を刻むように。金色に輝く、神聖な文字列。
【――スキル『運命鑑定』は、新たな『命運』の奔流を観測】
文字が、眩く輝く。
【――呪詛汚染を検出……強制浄化を開始……】
レオンの体から、黒い霧が立ち上った。
それは、呪いの残滓。イザベラが植え付けた、暗黒の呪い。スキルを破壊し、レオンを絶望の淵に叩き落とした、禍々しい力。
それが――浄化されていく。
黄金の光に溶かされ、消えていく。闇が光に飲まれ、穢れが浄められていく。
【――システムの再構築を開始……新たなパラメータを設定……】
レオンの視界が、変わっていく。
世界が、違って見える。
今まで見えなかったものが、見える。未来の糸。運命の流れ。可能性の枝分かれ。全てが、黄金の光の中で明瞭に浮かび上がる。
今まで感じられなかったものが、感じられる。世界の鼓動。命の輝き。魂の共鳴。全てが、レオンの中に流れ込んでくる。
【――ようこそ、世界の書き換え手よ】
その言葉が、レオンの心に深く、深く響いた。
書き換え手。
運命を、書き換える者。
未来を、創造する者。
【――スキル『運命鑑定』は――】
文字が、一瞬だけ消えた。
そして、新たな文字が、黄金の炎のように燃え上がりながら刻まれた。
【――『運命創造』へと進化しました】
運命創造。
未来を視るだけではない。未来を、創り出す力。確定した運命すらねじ曲げ、望む結果を現実にする、神の領域の力。
柔らかくて、けれど芯の強さを感じさせる手。人を癒す聖女の手。
「私、もう迷いません。みんなと共に……最後まで、戦います。あの女は倒すべき敵。遠慮せずにぶっ飛ばしちゃって!」
ミーシャの声が、いつもの演技ではない素の声で響く。
五人の手が――重なり合った。
それぞれの鼓動が響き合う。それぞれの想いが、一つになっていく。
五つの魂が――溶け合っていく。
レオンは大きく息を吸った。
胸いっぱいに、空気を吸い込む。冷たい牢獄の空気が、肺を満たす。
そして――魂の底から、絞り出すように叫んだ。
「この世界の『運命』は――アルカナが変える!!」
その声が、牢獄に響き渡る。石壁を震わせ、鉄格子を揺らす。
「アルカナァァァァァ、ファイトォォォォォ!!」
レオンは魂を込め、絶叫した。
少女たちも呼応して、一緒に叫ぶ。
「おぉーー!」
「おぅっ!」
「おーー!」
「おぉぉぉぉ!」
五人の声が、一つになる。
それは、運命への挑戦状。
それは、絶望への反逆。
それは、未来への誓い。
そして――。
次の瞬間。
奇跡が――――起こった。
五人の魂が共鳴を始める。
最初は微かな振動だった。心臓の鼓動が、同じリズムを刻み始める。呼吸が、同じ波長で揃っていく。
やがて、それは目に見える形となって現れた。
見えない波動が、五人を中心に同心円状に広がっていく。空気が震え、空間が歪み、世界そのものが呼応する。
五つの魂が、それぞれの色を放ちながら輝き始めた。
エリナの黒曜石の煌めき。闇を切り裂く、鋭い光。
ミーシャの空色の輝き。全てを包み込む、慈愛の光。
ルナの紅蓮の炎。燃え盛る、情熱の光。
シエルの銀色の月光。静かに照らす、希望の光。
そして――レオンの翠色の光。全てを導く、運命の光。
五色の光が、螺旋を描きながら昇っていく。
優雅に。美しく。神々しく。
まるで、天に届く光の柱のように。
やがて、五人の魂が、一つの巨大な意志の奔流と化した。
それは、誰にも止められない。
何にも屈しない。
どんな運命にも、どんな絶望にも、どんな神の悪戯にも負けない。
ただ、前へ。前へ。前へと進む。
圧倒的な――意志の力。
次の瞬間。
レオンの胸の奥で、何かが光り始めた。
砕け散ったはずのスキル。
壊れたはずの力。
それが――再び、光を放ち始めたのだ。
けれど、その輝きは以前の穏やかな翠色の光ではなかった。
それは――。
世界の理そのものを焼き尽くすかのような。
神々の領域を侵すかのような。
荘厳なる、黄金色の閃光。
◇
眩い。
あまりにも、眩い。
直視できないほどの、圧倒的な光が、牢獄を満たしていく。
おぉぉぉぉぉ……。
重低音のパイプオルガンのような荘厳な音が響く。それは風の音か、光の音か、それとも世界そのものが発する声か。
レオンの髪が、光を浴びて天へと靡いていく。重力に逆らい、まるで水中にいるかのように、ゆらゆらと揺れる。
レオンの脳内に、文字が浮かび上がってきた。
まるで、古き神の言葉のように。世界の真理を刻むように。金色に輝く、神聖な文字列。
【――スキル『運命鑑定』は、新たな『命運』の奔流を観測】
文字が、眩く輝く。
【――呪詛汚染を検出……強制浄化を開始……】
レオンの体から、黒い霧が立ち上った。
それは、呪いの残滓。イザベラが植え付けた、暗黒の呪い。スキルを破壊し、レオンを絶望の淵に叩き落とした、禍々しい力。
それが――浄化されていく。
黄金の光に溶かされ、消えていく。闇が光に飲まれ、穢れが浄められていく。
【――システムの再構築を開始……新たなパラメータを設定……】
レオンの視界が、変わっていく。
世界が、違って見える。
今まで見えなかったものが、見える。未来の糸。運命の流れ。可能性の枝分かれ。全てが、黄金の光の中で明瞭に浮かび上がる。
今まで感じられなかったものが、感じられる。世界の鼓動。命の輝き。魂の共鳴。全てが、レオンの中に流れ込んでくる。
【――ようこそ、世界の書き換え手よ】
その言葉が、レオンの心に深く、深く響いた。
書き換え手。
運命を、書き換える者。
未来を、創造する者。
【――スキル『運命鑑定』は――】
文字が、一瞬だけ消えた。
そして、新たな文字が、黄金の炎のように燃え上がりながら刻まれた。
【――『運命創造』へと進化しました】
運命創造。
未来を視るだけではない。未来を、創り出す力。確定した運命すらねじ曲げ、望む結果を現実にする、神の領域の力。



