全員分の出席確認が終わって、転入生発表会まで1時間くらいの休み時間。
私は神楽ちゃんと、その友達だという、私の席の隣の北野晴月君とその晴月君の前の席の澄井玲央君と4人で話していた。
「へぇ、天河、高等からの転入生なんだ。にしても、珍しいな。神楽が自分から転入生に話しかけるなんて。」
澄井くんは神楽ちゃんの幼馴染らしい。だから、お互い下の名前で呼び合っている。
でも、付き合ってはないみたい…。
「え、そう?」
神楽ちゃんが不思議そうに返す。
「おい、澄井。俺の時も話しかけられたぞ?」
北野くんは中等部からの転入生で、澄井くんと仲がいいらしい。
「いや、北野は俺と神楽のとこに行って、神楽と話すようになっただろ?」
「あ、まぁ確かに」
「ただ神楽が自分から転入生に話しかけるなんて、俺の記憶じゃ初めてだ。」
澄井くんがきっぱりと言い切る。
そして続けてこう言った。
「まぁ、龍中家のお嬢様がわざわざ話しかける必要ないもんな。転入生なんてほんとろくなことないし。」
「え?」
もしかして、龍中家って世界的にも有名な金融企業じゃない!?
というか、ろくなことってなんなんだろう。
「あぁ、そっか。ごめん、気ぃ悪くしたよな。今の言い方。」
「全然。でもどうして?」
「転入生は選ばれたら普通じゃないことが起こるらしいんだ。」
「あー、それずっとある噂だろ?」
北野くんが反応する。
「澄井、でも噂で終わらすには無理があることばっか起こってる」
神楽ちゃんが神妙な面持ちで言う。
「えー例えば?」
「んー、じゃサイエンス部のやつかな。」
神楽ちゃんが呟くと、澄井くんの方を見た。そして、澄井くんが頷いたのを見て話し始めた。
「私が小学5年の時だから、5年前。2個上の学年に中等部から女の子の転入生が入ってきたの。その子、部活をサイエンス部にしたんだって。で、その子が、サイエンス部に入ってから、その子のいる理科の授業でフラスコが急に割れたり、薬品が浮いたり」
「あ、あと人体模型が歩いたんだろ、確か」
澄井くんが付け足した。
「そうそう。で、異変が起こり始めて半年後くらいだったかな。その子に彼氏ができたんだって。でも、その数ヶ月後彼氏さんは事故で亡くなって…で、異変もぴたりとなくなった。」
神楽ちゃんは話すのを止めて下を向き始めた。
すると、次は澄井くんが話し始めた。
「まぁ、その彼氏が事故にあった時、学校でいろんな噂が流れたんだよ。実は、ここ数十年で同じようなことが何度も起こってるらしいって。ま、正解なら生徒会がこれまでの活動記録書読んで、流出されたんだろうな。毎回、転入生が選ばれて、その彼氏か彼女かが事故にあって亡くなって、変なことが終わる…だから、転入生は選ばれるかも知れないから、関わりたくない人も多いんだよ。」
「そんな噂の内容だったんだ」
思わず呟いてしまった。本当だとは思えないけど、実際に起っていることなら正直…怖い。
「ま、星ちゃんが選ばれたら、この変な事の謎、解決してもらわないとね〜」
神楽ちゃんが笑顔で言う。
「え?」
「だって、天河、転入生だから選ばれない可能性ゼロではないだろ?あと、俺達この噂の真相知りたいんだよ」
澄井くんが真面目な顔で言って、それに神楽ちゃんも北野くんも頷く。
「俺は生徒会に入ろうと思ってる。生徒会から情報が漏れたって言われてんだから、それが本とか調べるにはこれしかない。まぁ、会長になるつもりはないけど」
北野くんが淡々と話す。
「あ、そーなん?」
澄井くんが意外そうに言う。
「ここの生徒会の権限って副会長も役員の書記も会計も変わんないんよ。で、会長だと新設される部活承認とか、全校生徒の前の講話しないけねーとか。だから俺らが知りたい情報なら会長じゃなくていいんよ」
「なるほど…」
「そういや、星ちゃんって何部入りたいの?」
「え?んー…なんだろ。中学の時は帰宅部だったし…。逆にどんなのあるの?」
「じゃ、天河、どんな部活したい?」
「んー、あ、星座とか天気とかそういうの昔から好きなんだよね。だから、天文学部とかない?」
「天文学部…ないけど作れば?」
澄井くんが簡単そうに答える。
「え、そんな簡単に作れるの?」
「この学校、生徒会長の承認だけで部活新設できんだよ。だから結構簡単に作れる。なぁ、北野ー。お前会長なってくれよ。俺も天文学部入ろーっと」
「え私も入るー」
神楽ちゃんまで便乗した。
「ちょ、は?今さっき会長ならないって言ったよな?」
「そこをなんとか」
神楽ちゃんが北野くんに懇願する。
「…ったく、しゃーねーな。別に生徒会やるだけならかわんねーもんな…。天河、やりたいんだろ?」
北野くんが根負けしたようだ。
「え、うん」
「いいよ、やる」
その一言で、空気が少しだけ変わった気がした。
「え、マジで?」
澄井くんが身を乗り出す。
「言っただろ、やるって」
北野くんは、面倒そうにしながらも、どこかあっさりと言った。
「じゃあ決まりだね!天文学部!」
神楽ちゃんが嬉しそうに笑う。
「ちょ、ちょっと待って…」
思わず声が出た。
こんなに簡単に決まっていいの?部活って、もっとちゃんと考えて決めるものじゃないの?
それに___________天文学部。
胸の奥が、またざわつく。
朝の出来事と重なって不安でしかなかった。
私は神楽ちゃんと、その友達だという、私の席の隣の北野晴月君とその晴月君の前の席の澄井玲央君と4人で話していた。
「へぇ、天河、高等からの転入生なんだ。にしても、珍しいな。神楽が自分から転入生に話しかけるなんて。」
澄井くんは神楽ちゃんの幼馴染らしい。だから、お互い下の名前で呼び合っている。
でも、付き合ってはないみたい…。
「え、そう?」
神楽ちゃんが不思議そうに返す。
「おい、澄井。俺の時も話しかけられたぞ?」
北野くんは中等部からの転入生で、澄井くんと仲がいいらしい。
「いや、北野は俺と神楽のとこに行って、神楽と話すようになっただろ?」
「あ、まぁ確かに」
「ただ神楽が自分から転入生に話しかけるなんて、俺の記憶じゃ初めてだ。」
澄井くんがきっぱりと言い切る。
そして続けてこう言った。
「まぁ、龍中家のお嬢様がわざわざ話しかける必要ないもんな。転入生なんてほんとろくなことないし。」
「え?」
もしかして、龍中家って世界的にも有名な金融企業じゃない!?
というか、ろくなことってなんなんだろう。
「あぁ、そっか。ごめん、気ぃ悪くしたよな。今の言い方。」
「全然。でもどうして?」
「転入生は選ばれたら普通じゃないことが起こるらしいんだ。」
「あー、それずっとある噂だろ?」
北野くんが反応する。
「澄井、でも噂で終わらすには無理があることばっか起こってる」
神楽ちゃんが神妙な面持ちで言う。
「えー例えば?」
「んー、じゃサイエンス部のやつかな。」
神楽ちゃんが呟くと、澄井くんの方を見た。そして、澄井くんが頷いたのを見て話し始めた。
「私が小学5年の時だから、5年前。2個上の学年に中等部から女の子の転入生が入ってきたの。その子、部活をサイエンス部にしたんだって。で、その子が、サイエンス部に入ってから、その子のいる理科の授業でフラスコが急に割れたり、薬品が浮いたり」
「あ、あと人体模型が歩いたんだろ、確か」
澄井くんが付け足した。
「そうそう。で、異変が起こり始めて半年後くらいだったかな。その子に彼氏ができたんだって。でも、その数ヶ月後彼氏さんは事故で亡くなって…で、異変もぴたりとなくなった。」
神楽ちゃんは話すのを止めて下を向き始めた。
すると、次は澄井くんが話し始めた。
「まぁ、その彼氏が事故にあった時、学校でいろんな噂が流れたんだよ。実は、ここ数十年で同じようなことが何度も起こってるらしいって。ま、正解なら生徒会がこれまでの活動記録書読んで、流出されたんだろうな。毎回、転入生が選ばれて、その彼氏か彼女かが事故にあって亡くなって、変なことが終わる…だから、転入生は選ばれるかも知れないから、関わりたくない人も多いんだよ。」
「そんな噂の内容だったんだ」
思わず呟いてしまった。本当だとは思えないけど、実際に起っていることなら正直…怖い。
「ま、星ちゃんが選ばれたら、この変な事の謎、解決してもらわないとね〜」
神楽ちゃんが笑顔で言う。
「え?」
「だって、天河、転入生だから選ばれない可能性ゼロではないだろ?あと、俺達この噂の真相知りたいんだよ」
澄井くんが真面目な顔で言って、それに神楽ちゃんも北野くんも頷く。
「俺は生徒会に入ろうと思ってる。生徒会から情報が漏れたって言われてんだから、それが本とか調べるにはこれしかない。まぁ、会長になるつもりはないけど」
北野くんが淡々と話す。
「あ、そーなん?」
澄井くんが意外そうに言う。
「ここの生徒会の権限って副会長も役員の書記も会計も変わんないんよ。で、会長だと新設される部活承認とか、全校生徒の前の講話しないけねーとか。だから俺らが知りたい情報なら会長じゃなくていいんよ」
「なるほど…」
「そういや、星ちゃんって何部入りたいの?」
「え?んー…なんだろ。中学の時は帰宅部だったし…。逆にどんなのあるの?」
「じゃ、天河、どんな部活したい?」
「んー、あ、星座とか天気とかそういうの昔から好きなんだよね。だから、天文学部とかない?」
「天文学部…ないけど作れば?」
澄井くんが簡単そうに答える。
「え、そんな簡単に作れるの?」
「この学校、生徒会長の承認だけで部活新設できんだよ。だから結構簡単に作れる。なぁ、北野ー。お前会長なってくれよ。俺も天文学部入ろーっと」
「え私も入るー」
神楽ちゃんまで便乗した。
「ちょ、は?今さっき会長ならないって言ったよな?」
「そこをなんとか」
神楽ちゃんが北野くんに懇願する。
「…ったく、しゃーねーな。別に生徒会やるだけならかわんねーもんな…。天河、やりたいんだろ?」
北野くんが根負けしたようだ。
「え、うん」
「いいよ、やる」
その一言で、空気が少しだけ変わった気がした。
「え、マジで?」
澄井くんが身を乗り出す。
「言っただろ、やるって」
北野くんは、面倒そうにしながらも、どこかあっさりと言った。
「じゃあ決まりだね!天文学部!」
神楽ちゃんが嬉しそうに笑う。
「ちょ、ちょっと待って…」
思わず声が出た。
こんなに簡単に決まっていいの?部活って、もっとちゃんと考えて決めるものじゃないの?
それに___________天文学部。
胸の奥が、またざわつく。
朝の出来事と重なって不安でしかなかった。
