蒼天乃王

【第七話】第四戦争
時は流れ、この世界は新しい世界を迎えた。だが青龍国と光天国の戦いはあの時代から四度目を迎えたのである。
「ついに我らの勝利が来た。この日を迎えた。今こそ我らの力を光天国に見せ勝利の旗をあげよう。」
「はっ。」
「決行は明日だ。今日の夕方に出発する。皆準備を進めよ。」
「承知しました。」
 一方、光国の王光天国王は浩之を騎士として迎えていた。
「おはよう、浩之。立派に大きくなったな。」
「ありがとうございます、王様。これも王様が私にできることを与えて下さったからです。」
「礼は無用だ。娘も喜んでいるからな。」
「はい。一つだけ言っておきますが、私は鈴のことが好きだからやっています。それだけは忘れないでいただきたい。」
「ありがとう。娘もお前を好きだしな。感謝する。」
「ただし私が王となるには条件があります。承知いただければ幸いです。」
「いいだろう、申せ。」
「では申し上げます。もし他に彼女ができても王として迎えていただきたい。そして鈴にも自由を与えていただきたい。」
「なるほど、わかった。条件をのもう。」
「ありがとうございます。では失礼します。」
「待て。もう一つだけ頼みがある。」
「何でしょうか。」
 王は言った。
「お前は幼い頃から修行を受けておるな。長年見ていたが強くなった。」
「ありがとうございます。これも王様にご指導いただいた修行の成果です。」
「そんなお前に頼みがある。近々戦争があるのは存じておるか。」
存じています。」
「…お前が受験で忙しいのは分かる。だがお前は王になる。その先も未来も娘と一緒になれぬ未来もわかる。だからこそ王になり、鈴と結婚をしてこの国を守ってくれぬか。この戦争で私に何が起こるか分らぬからだ。それを同じ運命を他の者にも伝えるつもりだ。それまでは普通に学園生活を送ってほしい。できるか?」
「はい。王様の願いは引き受けました。ですが運命の人に会うかもしれないということを付け加えておきます。先ほどの条件を叶えていただけいならば、王にするのはやめていただきたい。」
「わかった。そなたの条件をのみ、そなたを王にする。」
「ありがとうございます。では行ってまいります。」
「…鈴を守れ。」
「承知いたしました。」
 浩之は学校へ向かった。
 一方、青龍国国王友也は鏡に手を当て語りはじめた、笑いながら。
「戦力はそろった。さあ明日が楽しみだな。そなたを倒すのが。ははは。」
 僕は学校に向かった。
「おはよう、浩之。」
「おはよう。」
「お前いつもより遅いな。そうか、二人とも俺が遅いとよくわかったな。」
「王に呼び出しを食らった。明日の戦争で何かあれば、鈴のことを頼むって言われたんだ。」
「そうなんだ。だいたい見当はつくよ。」
「なんで?」
「勘だよ。それに友達だろ。野球組だし。」
「そうだな。」
「他にもなんかあったのかよ。」
「家の用事。」
「お前の仕事。鈴のお付き兵だろ?」
「正式に言うと護衛兵だ。」
「そうなんだ。傍にいなくていいのか?」
「いいよ。鈴も俺も学生だ。つきあってるとか思われるのは嫌だし。遠くから見張っていればいい。」
「まあな。けど好きなんだろ?」
「うるさい!」
 教室についた。鈴と俺は同じクラスだ。
「おはよう。朝、なんで一緒にいなかったの?」
「鈴、おはよう。実は蓼太達に捕まったんだよ、途中で。」
 鈴は笑って言った。
「仲いいね。」
「皆、部活同じだから。鈴も仲良い友達いるじゃん。」
「うん、部活のね。」
「鈴が楽しければいい。」
「ありがとう、心配してくれて。浩之君は大丈夫なの?」
「まあな。鈴は俺がいなくて平気か。目を前にやられたから。」
 鈴は言った。
「大丈夫。浩之君は私のこと気にしなくていいから。」
「気にするよ。」
「なんで?」
「鈴が好きだから。」
 鈴は言った。
「知ってた…。でもそれももう終わりでしょ。」
「終わりでもいい。終わりでも鈴を守れるならそれでいい。」
「浩之君、ありがとう。」
「うん。」
 僕は思った。
 たとえ、鈴が消えようとしても俺は鈴を守る。学校が違っても。この先の未来に何が起こっても。この腐った世界の幻想を壊してやる。
 一方、青龍国と光天国の激しい戦いが始まっていた。
「切り裂け。ライトンエルージョン!」
 光天は友也を光で切り裂こうとした。
「そう簡単には死なない! ルーダーク! 防壁!」
 友也は青龍の光の壁で光のハイ光線を防いだ。
「はあはあ…。なかなかやるではないか」
「貴様こそやるじゃないか。だがこれで終わりだ。ハーッ!」
 私達の運命はどうなるのか。崩壊か平和か。
 風が吹いていた。邪悪な妖気が漂い、地面が揺れ始めた。
「なんだ? この揺れは。」
「みんな。机の下に隠れて。」
「うん。」
 私たちは机の下に隠れた。しばらくして揺れは収まった。
「みんな無事?」
「うん。」
「よかった。他のクラスは?」
「今、健太から連絡がきた。他のクラスも無事だって。」
「そうか。よかった。ただ闇の気配を感じる。」
 クラスメイトたちは言った。
「闇? 私たちには感じないけど…。」
 浩之は言った。
「君たちは無能力者だから感じないが、鈴は昔から感じ取れる力も持っている。他にもあるが。」
「すごい!」
 クラスメイトは誉めた。
「ありがとう。」
「感心している暇はない。次の揺れが来るぞ。」
「次の揺れが!」
「ああっ!」
 クラスメイトの咲希は言った。
「地震。」
「わからない。けどここは危ない。」
「そんな。」
 咲希は不安に陥った。周りにいる人も不安状況に陥った。
「とにかくみんな落ち着け。鈴、この揺れは何だ? みんな不安になっているぞ。机の下に隠れろ!って言ったが。みんな動けない状態だ。」
「わからないけど、みんな机の下にとりあえず隠れて。私が感知して地震の原因を突き止めるから。隠れて!」
「わかった。鈴はどうする?」
「気配を感じ取ってから隠れる。」
「わかった。」
 クラスメイトたちは机の下に隠れた。
「鈴、どうだ?」
「うん。」
 私は目を閉じた。そして、術を解き放った。
「汝の揺れを防ぐ光の神よ。今こそ姿を現したまえ。カレーン!」
 私は目を開けた。
「見えたわ。」
「で、どんな気配なんだ?」
「闇の青龍の気配がする。」
「感知できるか?」
「やってみる。揺れが収まってからね。さっきの揺れの衝撃でちょっと厳しいから。次の揺れが収まってからなら、たぶんできると思う。」
「わかった、頼む。」
「うん。」
 その時、再び揺れた。
「また地震だわ。机の下に入ろう。」
「おう。」
 私たちは机の下に隠れた。 しばらくして揺れは収まった。
「みんな、もう大丈夫よ。」
「よかった。」
「できるか、鈴?」
「うん。じゃあ始めるね。」
「ああ。」
 私は術を唱えた。
「いにしえの力よ。私の問に答えたまえ。」
 ピカー
光が解き放たれた。
「汝の命に応えその妖気を感知したまえ。ライトフリア!」
 私は目を開けた。
「鈴、何か見えたか?」
 鈴は言った。
「この先の東の方向で光天国と青龍国軍が戦争している。そこに吉岡君もいる。」
「吉岡が!」
「うん。」
 浩之は鈴に尋ねた。
「現状は悪いのか?」
「軍が押されている。吉岡君が危ない。私が守らなきゃ。」
「待て、俺も行く。」
「私一人で行くから。浩之君はみんなをここで守って。」
「俺も行く。お前を守らなきゃ。」
「みんなを見捨てることはできない。」
 浩之は涙をこぼしながら言った。
「じゃあどうすればいいんだ。」
 その時、拓也、昌樹が教室に来た。
「拓也君。」
「俺と持田で行く。」
「拓也…。」
「昌樹、浩之とともにここを守ってほしい。」
「わかった。」
「鈴はこの国の姫だ。鈴には俺たちがいる。必ず守る。」
「二人ともありがとう。昌樹君も。」
「おう。」
 拓也は鈴に剣を差し出した。
「鈴。この剣で吉岡を助けろ。きっと役に立つはずだ。」
「拓也君、これは?」
「湖魔剣だ。その剣には光の力が宿ってる。俺の力だ。受け取ってくれ。」
「ありがとう。」
 私は剣を受け取った。
 昌樹は浩之に言った。
「浩之、ここには大切な仲間がいる、俺たちの。そして鈴を守ることと同じだ。」
「同じ?」
「ああ。だからここで一緒に守らないか。」
「昌樹…わかった。」
「行こう。持田、準備はできたか?」
「おう!」
「じゃあ行こう!」
「浩之君、みんなをお願い。」
「おう。」
「行ってきます。」
「…鈴…。」
 私は後ろを振り返った。
「大好きだ。」
「私も。」
 私は拓也たちと学校を出て東の戦地へ向かい、ユラーズと戦っていた。
「ライトンへフィールソード!」
「効かぬ! ダークフォレスソード!」
「まずい! ライトサーベル結界!」
 結界防御でなんとか交わすことができた。
「はあはあ。なかなかやるではないか。」
「それはどうも。」
「…。」
「こいつ強い。どうすれば倒せる。前より強くなってる。くそ! このままじゃ俺がやられる…。」
 一方、光天王は友也軍に接近していた。
「ファイアーライトソード!」
「くたばれ! ライトソード! これで終わりだぁ!」
「終わりはお前らだ! ダークソード!」光天軍と青龍軍は激突していた。
 一方、光天王は友也王と激しい戦いを行っていた。
「青龍ソード!」
 青き刃が光天王の体を突き刺そうとした。
「無駄だ。ライトフィアーヌバリア!」
 敵の攻撃を跳ね返した。
「何? 次はこちらだ。サードフィーズライトソード!」
 光の剣で突き刺そうとした。
「効かぬ。バーリアダークソード!」
「わあーっ、なんだ?」
光天王の攻撃を無効化した。光天王は傷を負い倒れ込んだ。
「くそ。ここまでか。」
「もはや終わりだな、光天。」
「くっ …。」
 果たして王の運命は? 軍の運命は? 吉岡の運命は? この戦場の未来は?
戦地の戦いは幕を終えようとした。
「そろそろ終わりか。」
「まだだ。勝利は我のものだ。」
「違う。この光国のものだ。貴様はなぜ光を恐れる?」
「我には光がない。家族も頼れん。」
「気持ちはわからん。だが我を頼れば貴様にも光がくるはずだ。」
「黙れ!」
 闇が解き放たれた。
「わあーッ」
「ルートライト!」
「だがこの世界は光と自然があるから俺たちは生きていられる。違うか?」
「…くっ、ダークレイナー!」
 一瞬で闇が解き放たれた。そして闇が消えた。
 友也は消えて行った。
「待て!」
「おやめください、王様。」
 王は後ろを振り返った。眼鏡を掛けた青年が光の剣を持ち、立っていた。
「君は…鈴の幼なじみの?」
「望田です。ご無沙汰しています。王様。」
「どうしたのだ?」
「鈴が家族を助けたいと言ったので。」
「娘が?」
「はい。私はサポートに来ました。」
「そうか。ありがとう。」
「はい。」
「娘はなんと言っていた?」
「お父様を守るようにと。」
「鈴が?」
「はい。」
「娘には敵わぬな。」
「王様。一つだけお伝えしておきますが、友也に光の平和を理解することはできません。やつには奴のやり方がありますから、簡単に王の話を信じることは難しいと思います。少し時間が必要です。」
「そうだな。 ところで鈴は無事か?」
「無事です。」
「よかった。君は学校へ戻れ。」
「いいえ。私は王様が城に帰還されるまでお供いたします。鈴から頼まれましたので。」
「わかった。では参ろう。」
「はい。」
 王様は望田とともに城に帰還した。
 一方、学校では浩之がみんなを守っていた。 浩之はみんなに知らせた。
「今、望田から連絡があった。」
「なんだって?」
 生徒たちは驚いた。
「王様の援護に成功した。ひとまず安心だな。」
「そうだな。」
「…。」
 その時、学校が揺れ始めた。机も窓も植物も。
 生徒達は騒ぎ始めた。
「なに? 地震?」
「みんな机の下に隠れろ。俺を信じろ。」
 昌樹が言った。
「浩之君が私たちを守ってくれる。みんな、隠れよう!」
「うん。」
 みんなが机の下に隠れた瞬間、術を唱える声が聞こえた。
「ダークレイタストーンシャー!」と。」
 昌樹は言った。
「敵を退けられたのか?」
「ああ。今は王様の帰還護衛をしてるそうだ。」
 女の声が聞こえた。
「この声、敵だ!」
「何だって?」
「昌樹、助かりたいなら俺から離れるなよ。。今みんなを移動させるのは厳しい。やつの餌食だ。」
「ああ。」
 僕たちは手を握った。そして剣をかまえた。
再び女の声がした。
「ふふふ。私たちの術中にはまったわねえ。」
「やはり貴様らの仕業か。」
「だったらなにかしら。」
「出てこい。ここで貴様を討ち、平和を取り戻す。」
「お断りよ。私はあなたのいうことなんか聞かないわ、浩之お・う・じ。だってあなたたちはここにいる生徒と死ぬのだから。」
「なに?」
「ダークサンダー!」
 青龍国の手下は闇を解き放った。
「邪悪な気配がする。感じないか?」
 昌樹は言った。
「ああ。俺も感じる。闇の気配だ。」
「苦しい、息ができない…。」
 生徒が次々と倒れ始めた。
「みんな、しっかりしろ!」
「……。」
 浩之は昌樹に言った。
「みんな闇の影響で意識を失いかけてるんだ。」
「なんだって! これは青龍国の仕業なのか?」
「ああ。昌樹、お前闇は平気か?」
「ああ。俺は光の力を持ってる。頼りになるぞ。ちょいと力を貸してもらう。」
「いいぜ。まずこの闇を浄化する。」
「頼む。」
「おう。行くぜ。ライト!」
 浩之が光を解きはなった瞬間、闇が、消え敵がついに姿を現した。
「手下じゃない。お前は青龍国の女王。」
「ふふふ私の正体を見切ったのは誉めて差し上げましょう。だが貴様らは私たちの術中にはまったわねえ。」
「やはり貴様らの仕業か。ここにいる友達が皆苦しんでるのは。」
「ふふふそうよ。だってあなたたちに我らの国を支配されるのは困るのよ。だからこの女王が排除してあげるわ。どう? うれしいでしょ。私のお陰で平和がくるのだから。」
 僕たちは女王に言った。
「うれしくない。俺らは貴様の国を支配していない。平和を手にとるには両国同盟すれば作れる。」
「…。」
「これ以上話しても無駄だ。どうするんだ、浩之。これではきりがない。ここでこいつを倒し、策を練らねば。」
「わかった。」
 二人は剣を握った。
「さあ話は終わり。新しい平和作りの始まりよ。」
一方、吉岡は兵とともに危機に陥っていた。
 青龍軍が尋ねた。
「どう導いてるの。あなたたちは闇より我らに光ばかり送る。私たちの国はぼろぼろなのに。私たちは闇の提供が必要なの。けれどあなたたちはしてくれなかった。」
「君らが勝手に思い込んでいるだけだ。」
「あなたたちには分らないようだな、我らの気持ちが。ここで殺すしかなさそうだ。」
「…くそ。このままここで死ぬのか、俺たちは…。」
 吉岡の軍は諦めかけていた。吉岡は兵に告げた。
「そんなことさせない。」
「生きがいもここまでだ。氷期ダーク!」
 氷の結晶が空から放たれた。
「くっ。」
「リミットライトー!」
 光の結晶が放たれた。そして、闇の結晶が消えた。
「みんな大丈夫?」
 それは鈴と拓也の力だった。
「鈴、拓也、来てくれたのか。」
「もちろん。助けに来たのよ。」
「ありがとう。みんな、援護隊がきたぞ。」
「おう、姫様。」
 鈴は吉岡君に言った。
「話はあとよ。まずはここを突破しないと。」
「そうだな。まずはあいつを倒す。」
 拓也は吉岡君に言った。
「俺は鈴と兵士で突破口を開く。開いたら連続でなんとかなる。お前は全速で走り奴を倒せ。お前の剣ならいけるだろう。」
「ああ、わかった。なんとかやってみるよ。」
「おう。」
 鈴は旗を揚げて言った。
「じゃあ作戦開始。」
 果たして、浩之と昌樹や生徒の結末は。吉岡達の戦争の結末は?
続く