祝福の光の中で ― 小さな恋の始まり



すべての相談を終え、結婚式まで残り二週間。

会場では最終確認のためのスタッフミーティングが行われていた。


彩夏は進行表を片手に、慌ただしく動き回る。

「入場のタイミングはここで一拍置いて…照明は少し落として、音楽を合わせましょう」

音響スタッフが頷きながら答える。

「音楽は、新郎が希望していた曲を流すことになっています」

「はい、すでに手配済みです」


彩夏は安心したように頷き、次の指示へと移る。

「では、ケーキ入刀のタイミングは司会の合図に合わせて。照明はスポットを強めにお願いします」

優斗はカメラを構え、リハーサルの動きを確認していた。

「この角度からだと新婦の表情がよく映ります。
新郎の動線も少し調整しましょう。
入場のとき、ほんの少し右に寄ると、二人の姿が綺麗に収まります」

照明スタッフが位置を変え、音響担当がタイミングを合わせる。

会場全体が、まるで本番さながらの緊張感に包まれていた。


優花は緊張した面持ちでバージンロードを歩く練習をし、楓介はその隣で小さく笑う。

「本番じゃないのに、なんだか緊張するな」

「私も…でも、楽しみ」

二人の声は小さくても、会場にいるスタッフたちの耳に届き、空気を柔らかくした。

その瞬間、彩夏は胸の奥で静かに思った。

――準備を重ねてきた時間が、いよいよ形になる。


スタッフの声、照明の調整音、カメラのシャッター音。

一つひとつの確認が積み重なり、すべてが本番へ向けて整えられていく。


「ブーケトスの位置も確認しましょう。ゲストの動線を考えて、少し中央寄りに」

彩夏の指示に、スタッフが素早く動く。

優斗はその様子を撮影しながら、真剣な眼差しでシャッターを切った。

「この角度なら、ブーケが宙に舞う瞬間をしっかり残せます」

優花はブーケを持ち、軽く投げる練習をする。

楓介が笑いながら受け止め、会場に小さな笑い声が広がった。

その光景に、彩夏は思わず微笑む。

――緊張の中にも、幸せの予感が漂っている。


結婚式まで、あと二週間。

その日を迎えるために、彩夏はさらに気を引き締めた。

彼女の胸には、責任と同時に、二人の幸せを支える誇りが静かに灯っていた。