祝福の光の中で ― 小さな恋の始まり



披露宴が始まると、会場は温かな拍手と笑顔に包まれた。

司会の声に合わせて二人が入場すると、ゲストたちは立ち上がり、グラスを掲げて「おめでとう!」と声をかける。

優花は少し頬を赤らめ、楓介と視線を交わしながら笑みを返した。その姿に会場全体が華やぎを増していく。


食事が始まると、テーブルには楓介がこだわり抜いた料理が並んだ。

旬の野菜を使った前菜、香ばしく焼き上げた魚料理、そして和牛のステーキ。

ゲストたちは「美味しい!」と声を上げ、笑顔で料理を口に運んでいた。

優花が小声で「これ、楓介が選んだんだよね?」と尋ねると、楓介は照れくさそうに笑いながら「みんなに肩肘張らず楽しんでもらいたくて。俺ららしいかなって」と答えた。そのやり取りに、優花は嬉しそうに頷き、二人の間に温かな空気が流れた。


続いてケーキ入刀の時間が訪れる。

優花がこだわったケーキは、淡いブルーのドレスに合わせたデザインで、白いクリームにガーベラの花を模した飾りが添えられていた。

ゲストから「すごい、可愛い!」と歓声が上がる中、二人はナイフを手に取り、互いに視線を合わせる。

「せーの!」

と声を合わせてナイフを入れると、会場から大きな拍手が響いた。

優花は少し緊張したように笑い、楓介は「うまくいったな」と小声で囁き、二人の笑顔が重なった。


その後、二人は各テーブルを回り始めた。

友人たちが「おめでとう!」と声をかけ、写真を撮り、グラスを掲げて乾杯を交わす。

楓介は「ありがとう」と笑顔で応えながらも顔を赤らめ、友人に「楓介、顔赤いよ!」とからかわれて照れ笑いを浮かべた。

優花も「私も…ちょっと緊張してる」と頬を赤らめながら笑い、ゲストたちと楽しそうに言葉を交わした。

その姿を見ていた彩夏は胸の奥で静かに思った。

――やっぱり、結婚っていいな。

やがて会場が静まり、手紙の時間が訪れる。

楓介が優花に向けて真剣な眼差しで言葉を紡いだ。

「これからもずっと、君を守り続ける。今日ここで誓ったことを、忘れない」

その言葉に優花の目に涙が浮かび、彼女は小さく頷いた。

続いて二人は両親へ向けて手紙を読み上げる。

「今まで育ててくれてありがとう。今日まで支えてくれたこと、一生忘れません」

両親の目にも涙が光り、ゲストたちも胸を熱くしていた。

その姿を見ていた彩夏は、思わず涙をこぼしてしまう。

「…あ」

隣でカメラを構えていた優斗が驚いたように彼女を見つめ、「彩夏さんが泣くなんて、珍しいですね」と囁いた。

彩夏は慌てて笑みを作ったが、心の奥では温かいものが溢れていた。

そして最後のサプライズ。

スクリーンが暗転し、映像が流れ始める。

そこに映し出されたのは、二人の両親が手作りしたムービーだった。

幼い頃の写真、家族で過ごした日々、そして今日までの歩み。

「おめでとう。これからも二人で幸せに」

両親の声が流れると、会場は涙と笑顔でいっぱいになった。

優花は驚きながらも深く感謝の気持ちを込めて両親を見つめ、楓介も目を潤ませながら両親に頭を下げた。

その瞬間、披露宴は最高潮の感動に包まれていた。