挙式を終え、会場は披露宴の準備へと移っていた。
ゲストたちが食事を楽しみながら談笑する中、控室では新婦の衣装チェンジが進められていた。
優花が選んだのは、淡いブルーのカラードレス。
ふわりと広がるスカートには繊細なラメが散りばめられ、光を受けるたびに柔らかく輝く。
胸元にはレースの装飾が施され、清楚さと華やかさを兼ね備えたデザインだった。
「すごく綺麗です。挙式の純白とはまた違って、披露宴らしい華やかさがありますね」
彩夏が微笑みながら言うと、優花は少し照れたように頷いた。
楓介は白のタキシードから、落ち着いたネイビーのジャケットに着替えていた。
新婦のドレスを引き立てるように、シンプルながらも上品な装い。
二人が並んだ瞬間、まるで夜空に咲く花のように調和していた。
「…似合ってる。すごく綺麗だ」
楓介が小さく呟くと、優花は頬を赤らめて笑みを返す。
そのやり取りに、控室の空気が一層温かくなった。
やがて扉が開き、二人が披露宴会場へと姿を現す。
ゲストたちから歓声と拍手が沸き起こり、会場は一気に華やぎに包まれた。
彩夏は進行表を確認しながら、その光景を見つめていた。
――挙式の厳かさから、披露宴の華やかさへ。
二人の姿は、まさに物語の続きを紡いでいるようだった。
横でカメラを構える優斗が、低い声で囁く。
「彩夏さん、今の表情…最高ですね。しっかり残しておきます」
その言葉に、彩夏の胸が少し熱くなる。
――彼と一緒に、この瞬間を支えているんだ。
ほんの少し、心が近づいたような気がした。
