この声響け!-メロディーに想いを-

「あんたなんか大っ嫌い!!」
そう、恵那ちゃんの声が聞こえる。
そして、その声は私の耳の中でこだまして、ぷっつりと電話が切れてしまったかのようにあっさりと、
私の世界は音を失った。

***

病室のベッドで目を覚ますと、横には泣いている母の姿が見えた。
『あぁ、お母さん。心配しないで。』
そう、声を出したはずなのに。
何も言えなかった。
ううん。違う。
「問こえなかった」のだ。
そこで、私は気づいてしまった。
くちびるが震えるのがわかる。
けど、伝えなきゃいけない。
あぁ。私がこれを失ったら、私に何が残るのかな。
「ねぇお母さん。私、耳が聞こえない。」
その時の母の、ショックを受けた顔は、涙でぼやけてしまって、あまり覚えてはいない。

***

私、霧ヶ丘墨。
すみれ学国小学部5年生、代表委員の無遅無欠席バワフルガール!
として生きております!
それなりにみんなから好かれて(多分、そうだよね?)楽しい小学生ライフを送っております!
みんなからは「すみちゃん」って呼んでもらえている。
なのになあ。
今はちっとも笑う気になれないやあ。
何かを話そうとしたら、すべての言葉を忘れてしまいそうで。
ただ一人、病室のベッドにちょこんと腰掛けて。
深い色の空を眺めながら、
そっと涙をこらえた。
そして、
『何があったんだっけ?』
と、記憶の紐を手繰り寄せた。

***

「すみちゃん。」
隣のクラスの恵那ちゃんがそう、口を開く。
恵那ちゃんはおんなじ吹奏楽部の同級生。
恵那ちゃんは小学4年生の時に転校してきた子だ。
長く長く伸ばされた美しい黒髪は恵那ちゃんのクールだけど優しいところにぴったりで。
私は密かに憧れていた。
そんな恵那ちゃんに、私は呼び出された。
小5の3学期の始業式のあと、楽器準備室に。
冬真っ只中で、とっても冷たい廊下をパタパタと。
大きすぎる上履きを鳴らしながら歩く。
準備室に入ると、恵那ちゃんがいた。
「恵那ちゃん、どうしたの?」
私は問いかける。
「今度の係決めの時さ、部長に立候補しないでもらえる?」
一瞬、時が止まってしまったように思えた。
本当に、一瞬だけ停電したように身体がビクッと震えた。
そして、恵那ちゃんの言葉をもう一度、脳内で再生する。
それでも、何を言っているのかが、わからなかった。
前々から私は恵那ちゃんに、私が部長をやりたいと話していたはずだ。
それに恵那ちゃんも
「すみちゃんならできるよ!」
と言ってくれていたはずだ。
「…どういうこと?」
私は聞く。
恵那ちゃんはゆっくり口を聞いた。
「すみちゃんに部長は合わないよ。だから、譲って。」
いつもは優しくて柔らかい声なのに。
恵那ちゃんの冷ややかな声が響く。
でも、私は本当に恵那ちゃんが何を言っているのかがわからなかった。
けれど、その鋭い瞳に圧倒されて、私は返事もできずに、逃げるように音楽室を飛び出した。
そしてそのまま、気づいたら家のベッドいにた。

***

次の日。
私は授業を上の空で聞きながらずっと恵那ちゃんの事について考えていた。
なんで急に恵那ちゃんは部長になりたいと言い出したのか。
私が部長になりたいという話は、本当は内心笑いながら聞いていたのだろうか。
私に足りない要素は何か。
ずっとずっと考えていた。
でも、わからなかった。
私は部長をやりたい。
私は、この部活を全国大会まで連れていきたい。
そう、ずっと思っていたのに。
「代表委員さん。号令お願いね。」
先生の声が聞こえて、混乱する心を落ち着かせながら号令をかける。
今は六時間目の終わりだったらしい。
さあ、部活にいかなきゃ。
私は帰りの準備とともに部活バッグの準備をして帰りの会が始まるのを待った。

***

「すみせんぱあああああああああい!!!」
帰りの会が終わって立ち上がろうとした瞬間、聞き馴染みのある叫び声が聞こえた。
友達の桜子(さくらこ)にも「今日も来てるね。」って笑われちゃった。
「はいはいゆのちゃーん!お待たせね!」
そう言って私は急いでリュックを背負って、小走りで教室から出た。
「お疲れ様です!すみせんぱい!」
とってもかわいい声でニコニコしながら、びしっと敬礼をしてくる。
そんなこの子は、すみれ学園小学部3年生の湯泉ゆのちゃん。
いつもワンワンみたいな感じでふわ~っとしてて、こっちまでなんだか語彙力がどんどん失われていく。
「お疲れ様~。」
そう声をかけてゆのちゃんの頭をふわふわっと撫でて音楽室までの階段を登る。
「そういえば、今日係決めするらしいですよ~!!次の部長って誰になるんでしょうかね!
私はもちろん、すみ先輩を推しまくりますよ!」
あ…。
私は冷水を被ったみたいに痛くて、冷たくなって。
そうして、固まってしまった。
「せんぱーい?」
そうやって声をかけて心配してくれるゆのちゃん。
やっとのことで「大丈夫だよー」って声をかける。
そこから記憶がすばーんと飛んじゃったみたいに、気づいたら係決めのターンに入っていた。

***

「じゃあ、部長やりたい人〜!」
現在副部長の真由美(まゆみ)先輩の声が響く。
恵那ちゃんに言われたことを、忘れたわけじゃないけれど。
やっぱり諦め切れなくて。
真由美先輩が言い終わる前に私は手を挙げた。
後ろから舌打ちが聞こえる。
「おっと、恵那ちゃんと墨ちゃんのふたりかぁ。こりゃ多数決になっちゃうかな。」
真由美先輩が困ったように眉を下げる。
「じゃあ一言ずつもらったら?」
現在部長の宮下(みやした)先輩が言う。
「じゃあそうしようか!どっちが先?」
恵那ちゃんが「私が先に言います。」と言って立ち上がった。
「私は三年間部活を続けてきて、吹奏楽の楽しさを実感しました。次入ってくる新入生にも楽しいと思ってもらえるような部活を創っていきたいと思っています。よろしくお願いします。」
恵那ちゃんの真剣な声が音楽室の壁に吸収されていく。
「じゃあ次は墨ちゃん。お願いね。」
真由美先輩の声に、ガタッと椅子を引く。
「はい!えぇっと、」
ふぅっと息を吐く。そして大きく吸う。
「私はこの、すみれ学園の吹奏楽部を、全国大会出場目指して成長させたいと思っています!
私は小学3年生の時、吹奏楽部に人生を変えられました。変えてもらえました。友達のいない私が、何もできず、積極性のなかった私が。
この、すみれ学園の吹部はどこの学校にもない団結力や和音の取り方、テンポキープなどなど、どこに出しても自慢できる部活だと思っています。
だからこそ、私たちの音色を全国に響かせたい。
そして、みんなに少しでも音楽や吹奏楽という物に興味を持ってもらいたい。
音楽は、心を一つにする。
その感動を少しでも多くの人に感じていただきたいと思っています。
思わず長くなって申し訳ありません!
ぜひ、よろしくお願い致します!!」
私は椅子におでこをぶつける勢いで深くお辞儀をした。
ぱちぱちぱちっ
その拍手に思わず顔を挙げるとゆのちゃんが拍手をしてくれていた。
それに続いてフルートの子もサックスの子も、ほとんどみんなが拍手をしてくれた。
よかったぁっと思って椅子に座る。
「えーと。じゃあ、みんな顔を伏せてね。
最初の恵那さんが良いと思った人〜」
微かに腕を上げる音が聞こえて、心臓の音がうるさくなっていく。
「そしたら次に、墨さんが良いと思った人〜」
自分の心臓の音がうるさくって集中できなかった。
この選択でよかったのか、全然わからない。
でも、
「はい!じゃあ結果発表をするよ〜」
思わず耳を塞ぎたくなるほど、私の心臓は落ち着かないまま、
「部長は、霧ヶ丘墨さんに決定いたしました!」
思わず息を呑む。
隣に座ってたゆのちゃんに、肩をぐらぐら揺らされて。
気づいた時にはもう、涙が止まらなくなっていた。

***

「それじゃあ今日の部活を終わります!
明日からはこの係で動いていくからよろしく!」
「小6にも仕事あるんだから気抜くなよ。」
副部長と部長の声で反省会が閉じられる。
「じゃあ楽器を片付けて、パートごとで解散してね!」
副部長の合図でみんなが一斉に立ち上がる。
私の楽器、クラリネットは席で片付けることができる優秀な楽器(?)なので自分の席でゆっくり片付けをする。
トロンボーンやユーフォニアムが解散の号令をしているのを聞きながらクラリネットを解体していく。
クラリネットは軽いし小さいけど片付けるのに時間がかかるんだよな〜とか考えながら片付けを終わらせる。
よっこいしょっと立ち上がり、もう楽器の片付けを終わらせていた後輩たちと解散の号令をして。
誰も居なくなった音楽室に静かに夕陽が入り込んでいて美しい。
なんだか良いものを見ちゃったなぁとうきうきしながら楽器準備室に楽器を置きにいく。
入った瞬間、まるで南極みたいに周りの空気がピンと張り詰めた。
そこには、
恵那ちゃんがいた。

***

後ろを向いていた恵那ちゃんが振り返る。
その顔は涙で濡れていた。
謝りたくて口を開こうとしたら、恵那ちゃんが口を開いた。
なんだか嫌な予感がしたけれど、どうにもできなくて、恵那ちゃんは喋り始める。
「ねぇ墨ちゃん。言ったよね?部長に立候補しないでって。聞いてなかったの?それともなに?私が部長になれないことをわかってて、嘲笑(あざわら)ってたの?」
恵那ちゃんの冷たい声が耳に、滝のように激しく流れ込んでくる。
ちがうよと言おうとしても、そんな隙を与えぬまま恵那ちゃんは続ける。
「前々から思ってたけど、墨ちゃんってぶりっ子で八方美人でめっちゃうざいよ。男も女も墨ちゃんがきたら態度変えちゃって。そんなに人たらしだったんだね墨ちゃんって。
されたら嫌なこともわからないくらいバカだったんだね。」
涙が溢れてくる。
そして、恵那ちゃんは「顔あげて。」って言ってくれた。
もしかしたら、許してくれるのかな。
そう思って顔を上げた瞬間。
空気がビリって動いて。
頬に痛みが走って、そして。
「あんたなんか大っ嫌い!!」
そう、恵那ちゃんの声が聞こえる。
そして、その声は私の耳の中でこだまして、ぷっつりと電話が切れてしまったかのようにあっさりと、
私の世界は音を失った。

***

回想をやめて、病院の下に広がる公園の枯葉ばっかりで寒そうな木を見つめる。
私が覚えているのはそこまでだ。
私はその後倒れかけたのだが、恵那ちゃんの怒鳴り声が聞こえて私を待っていたゆのちゃんが不安になってちょうど走ってきて、私の手を引っ張ってくれたらしい。
そのおかげで、私は頭をぶつけることなく生きているらしい。
全ては母がスマホに入力した情報だ。
そのあと恵那ちゃんはどうなったのか、私はどうやってここまで運ばれたのか。
一切覚えていないし、母の震える手では、これ以上の情報は読み取れなかった。
夕陽が差し込んでくる。
あぁ今日は何日だ?
私は、わたしはこれから、
どうなってしまうの。

***

次の日の朝。
母が昨日よりは顔色が良くなって、すこし微笑みを投げてくれた。
「ねぇ墨。今日は少し良い報告があるのよ。」
音声入力で入れられた文字が私のスマホに表示される。
「そうなの。たのしみ。」
私はそれだけ入力をする。
あぁ、ママの声ってどんな声だったっけ。
そう思ったら寒気がした。
母が顔を上げて扉に近づいていく。
きっとお医者さんが来たのだろう。
母が扉を開けると、お医者さんが入ってきた。
そのお医者さんが持ってきたのは、イヤホンみたいなのと、カチューシャみたいなものだった。

***

『私は、変わりたいと思う。
今のこの癖っ毛をストレートにして、
メガネだってコンタクトにしたい。
服だって全部変えたい。
ねぇお母さん。迷惑かけてごめんね。
私のわがまま、聞いて欲しい。』

私はそんなことを、聞こえるようになってすぐ言ったらしい。

現在の私は中学3年生。
菖蒲第一中学校という、最難関私立中学へ合格して、無事に3年生になった。
今でも私は耳が聞こえない。
でも、補聴器という素晴らしいものがこの世界にはあった。
その出会いを説明しなくちゃね。
時はまた、小学五年生に戻る。

***

お医者さんが持ってきてくれた補聴器を色々試して、1番ぴったりなものを見つけた。
まるでカチューシャのような補聴器があったのだ。
まず、カチューシャをはめて。
カチューシャの1番下のところにはめる溝があって、
骨伝導型の補聴器を右耳から左耳の方に繋げる。
右耳の付け根から左耳の付け根?にまた違ったカチューシャをすぽっとはめたみたいになる。
これは全然違和感がなくて素晴らしい。
ぱっと見ただけだと、ただのカチューシャだし、髪を結ばなかったら耳の後ろの補聴器の線は見えない。
だから私は、耳が聞こえないことを隠しても生きていけるようになったのだ。
私は、事件のあったあの日からわずか1週間で復帰することができた。
私にはやることがあった。

***

退院できたのは事件3日後。
「じゃあ墨?今日は忙しい1日になるわよ!」
「うん!」
そう言って私は、母の運転する車に乗り込んだ。
「今日はね、まずは眼科に行くわよ!そしてコンタクトを買うよ。
次に美容院へgo!その間にお母さんはコンタクトを受け取りにいくわ。
そして、そのあとはお洋服を買いに行きましょう!
それと、よかったらだけどまつ毛サロンと眉毛サロンも一緒に行くわよ!」
母は一息おいて、まだ言葉を続ける。
「ほんとに、墨が無事でよかったよ。」
母はいつになく優しい声で、私の頬を撫でてくれた。
この日、私は大変身した。
腰につくくらいまで長かった癖っ毛でふわふわの髪は肩につくかつかないくらいまでバッサリ切って、
縮毛矯正を毛先にかけて癖をとり、
メガネからコンタクトに変えて。
服も可愛くてフリフリ系から一気にママみたいなシンプルでおしゃれな服に変えた。
そして、コンプレックスだった瞳はまつげパーマのおかげで幾分か可愛く見えて、
濃いまゆから脱出もできた。
母は笑って
「いっそのことインナーで金髪でも入れる?」
と言ってくれた。
戸惑う私に、
「だって事故のせいにしちゃえば良いじゃない!」
そう笑ってくれた。
なので私は念願だった白を入れることにした。
だから今は、右の横髪だけ真っ白のラインが入っている。

***

「おはよう!」
事故から1週間経って、私は学校へ戻った。
学校に着いた私はすごいみんなから注目されてしまって、逆に失敗したなぁと思った。
今日だけで3人に告白された。
うーん。どういうことなんだ?
実は私には好きな人がいる。
でももう恋愛はしないって決めた!
見てるだけで十分だって思ったの。
なんだか、今まで思ってきた夢を全部捨てたくなっちゃってね。
部長になる夢も、好きな子と付き合う夢も、フリフリ可愛いファッションで生きることも、中学部にあがる試験で特待生を目指す夢も、全国大会に行く夢も。
全部ポーンと投げ出すことにした。
また新たに好きなことを見つける。
そうやって生きていこうとおもって。
昼休みに入ったらみんなに質問攻めにされた。
私はただ、『なんだか、変わってみたい気分になったの!』それだけ言って、あとは適当に話を繋げていた。
事件のことを詳しく言えるわけじゃないけれど、まぁ色々あって後遺症がここに〜って言って白のラインを見せたりして。
放課後、私は職員室へ行った。
「あれ?今日は後輩ちゃん来ないね。」そういう桜子に「うん。今日は私、家にすぐ帰るから。また明日ー。」
そう言って教室から出てきた。

***

「先生。部活休ませてください。」
私は職員室で、顧問の先生に事情を説明した。
「朝練だけ、参加します。休日練習はパート練にだけ参加させてください。」
自分勝手でわがままなのはわかっていた。
何か言われるかと思ったけれど、先生は素直に頷いてくれた。
「お母様からね、少しお話を聞いたのよ。
だから、本当に無理はしなくていいのよ。」
そう、優しく声をかけてくださった。
「ありがとうございます。明日の朝練で簡単にみんなに事情を説明してもいいですか?」
思い切って言ってみた。
先生はすぐに了承してくれた。
そして私は、母に伝えたいことがあったので、先生と別れてからすぐ家に駆け戻った。

***

次の日。
今日は水曜日だから朝練がある。
「すみ先輩。大丈夫ですか?」
優しくゆのちゃんが声をかけてくれる。
「もちろん。ゆのちゃん、いつもありがとうね。」
私はそう返してから、学校の校門が近づいてくることに気づく。
朝の青空と新鮮な空気を、
胸いっぱい吸い込んで。
前を向いて
「おはようございます!」
と、元気な声で挨拶をした。

***

朝練の時に私はところどころかいつまんで話をした。
耳が聞こえなくなってしまったこと。
最難関私立と呼ばれ、日本で最も頭の良い大学の付属校の一つである『菖蒲第一中学校』を目指すこと。
でもやっぱり吹奏楽が好きだから、コンクールとか発表の場があったら聴きに行かせてね、ということ。
部員の中には泣いてくれる子も居た。
寂しいですって言ってくれる子も居た。
先輩変わりましたね、可愛いですねって声をかけてくれる子もたくさん居た。
何人かからは男女関わらず、ずっと好きだったと愛をもらった。
その気持ちに応えることはできないけれど、ずっとずっと大切な仲間だよと伝えることができた。
定期的に連絡しても大丈夫ですか?とか
今度よかったら遊びに行きませんか?とか
素敵な言葉をいっぱいもらった。
くじけちゃいけない。そう思った。

***

その子達とは、中学3年生になった今でも連絡は続いていて、月イチくらいで誰かと遊びに行ったり、年に1回みんなで集まったりしている。
さぁ、私は今何をしなくてはならないのか。
肩につくかつかないくらいの髪はもう腰あたりまで伸びて。
縮毛矯正をかけていたところは傷んだから切ってしまって、もう元の癖っ毛が戻っている。
菖蒲第一中学校はセーラー服とブレザー服がある。
私は、その日の気分で着る服を変えている。
今日はなんだか、セーラー服の気分。

***

「おはようございます。明日は、新一年生の入学式があります。新しい一年生に模範的な姿を見せられるように、特に意識して生活をしましょう。」
暖かな春の日差しを感じる今日は、この菖蒲第一中学校の始業式である。
そう、今日から、本当に中学3年生なのだ。

新しい風が吹いてくるのだと思う。
音楽にも、新しいメンバーが加われば、音も新しく生まれ変わる。
そうやって姿形は変わるのに、想いは受け継がれていく。
想いは、旋律に。感情は、曲調に。
そうやって、どうやっても。
想いをメロディーに載せれば、きっと誰かに届く。
音楽をやっていれば、いつかは再開できる。
感動にも、仲間にも、かけがえのない大切な人にも。
音楽はいつの時代もどこにいても、心を通じさせて、一つにする。
その感動を、少しでも多くの人に感じて欲しくて。
私、菖蒲第一中学校3年生吹奏楽部部長、霧ヶ丘墨。
私は今日も、これまでも、これからも。
ずっとずっと、自分の信じた道を、たくさんの大切な人と共に、歩み続ける。