どしゃ降りの雨……。

玄関先で貴方の雨合羽の袖を引っ張った。

「大丈夫。すぐ帰るよ」

貴方は私を優しく抱きしめると……
笑顔を浮かべて、ポンッと1つ、頭を撫でた。

「行ってきます」

「……っ……」

あの瞬間《とき》……

『行かないで……』

そう、言葉にしてたら……
貴方との突然の別れは訪れなかったの……?