翌朝。また世界は白くなっていた。
でもノートには、昨日の私の字でこう書かれていた。
『和哉と別れようとした。でも、本当は別れたくない。会いに行く』
学校に着くと、和哉が昇降口で待っていた。
「おはよう、梨紗」
「......おはよう」
ノートには『和哉——元彼氏(?)』と書いてあった。
「話があるって、ノートに書いてあった」
「うん。屋上行こう」
二人で階段を上る。朝日が差し込む屋上で、和哉が口を開いた。
「昨日、梨紗は俺と別れるって言った」
「......そうなの?」
「うん。でも俺、諦めないから」
彼は真っ直ぐに私を見た。
「たとえ数時間ごとにリセットされても、俺はそのたびに梨紗を好きになる。そのたびに梨紗に好きになってもらえるよう頑張る」
「でも——」
「梨紗は覚えてないかもしれないけど、昨日の午後、リセットが起きた時、梨紗はこう言ったんだ」
和哉が取り出したのは、彼のノートだった。
「『あなたのこと知らないけど、なんだか安心する』って」
胸がざわついた。
「それって、どこかで覚えてるってことじゃないの? 感情はリセットされても、何かが残ってるんじゃないの?」
「......分からない」
「じゃあ、確かめよう。一緒に」
和哉が手を差し出した。
「梨紗、もう一回俺と付き合ってくれないか。今度こそ、何があっても離さない」
その手を見つめながら、私は思った。この人は、きっと特別なんだ。たとえ忘れても、何かが残る。そんな特別な人なんだ。
「......うん」
私は彼の手を取った。
「もう一回、よろしくね」
和哉は太陽みたいに笑った。
でもノートには、昨日の私の字でこう書かれていた。
『和哉と別れようとした。でも、本当は別れたくない。会いに行く』
学校に着くと、和哉が昇降口で待っていた。
「おはよう、梨紗」
「......おはよう」
ノートには『和哉——元彼氏(?)』と書いてあった。
「話があるって、ノートに書いてあった」
「うん。屋上行こう」
二人で階段を上る。朝日が差し込む屋上で、和哉が口を開いた。
「昨日、梨紗は俺と別れるって言った」
「......そうなの?」
「うん。でも俺、諦めないから」
彼は真っ直ぐに私を見た。
「たとえ数時間ごとにリセットされても、俺はそのたびに梨紗を好きになる。そのたびに梨紗に好きになってもらえるよう頑張る」
「でも——」
「梨紗は覚えてないかもしれないけど、昨日の午後、リセットが起きた時、梨紗はこう言ったんだ」
和哉が取り出したのは、彼のノートだった。
「『あなたのこと知らないけど、なんだか安心する』って」
胸がざわついた。
「それって、どこかで覚えてるってことじゃないの? 感情はリセットされても、何かが残ってるんじゃないの?」
「......分からない」
「じゃあ、確かめよう。一緒に」
和哉が手を差し出した。
「梨紗、もう一回俺と付き合ってくれないか。今度こそ、何があっても離さない」
その手を見つめながら、私は思った。この人は、きっと特別なんだ。たとえ忘れても、何かが残る。そんな特別な人なんだ。
「......うん」
私は彼の手を取った。
「もう一回、よろしくね」
和哉は太陽みたいに笑った。
