春が来た。
症状は完全に止まったわけではないけれど、安定した。一日二回程度のリセットで済むようになった。
「退院おめでとう、梨紗」
桜の木の下で、和哉が笑った。
「......ありがとう。和哉のおかげ」
「俺、何もしてないよ」
「してるよ。毎日来てくれたじゃん」
彼は照れたように頭を掻いた。
「そりゃ、好きな人のとこ行くの当たり前だろ」
その言葉に、胸が熱くなった。
「......ねえ、和哉」
「ん?」
「私、和哉のこと、本当に好きだと思う」
和哉の目が見開かれた。
「今、この瞬間だけかもしれないけど。でも、本当に好き」
涙が溢れた。
「リセットするたび、和哉に会うたび、また好きになる。それって、多分——本物なんだと思う」
和哉は優しく私を抱きしめた。
「ありがとう、梨紗」
彼の声が震えていた。
「俺も、梨紗のこと、ずっと好きだよ。これからも、毎日好きになる」
桜の花びらが、二人の周りを舞った。
「......約束して」
「何を?」
「私が忘れても、また好きにさせてって」
「当たり前だろ」
和哉は笑った。
「毎朝、毎日、何度でも。梨紗に好きになってもらえるよう頑張るよ」
その言葉が、胸に深く刻まれた。
忘れても、また思い出す。忘れても、また出会う。
そんな繰り返しの中で、私たちの物語は続いていく——。
症状は完全に止まったわけではないけれど、安定した。一日二回程度のリセットで済むようになった。
「退院おめでとう、梨紗」
桜の木の下で、和哉が笑った。
「......ありがとう。和哉のおかげ」
「俺、何もしてないよ」
「してるよ。毎日来てくれたじゃん」
彼は照れたように頭を掻いた。
「そりゃ、好きな人のとこ行くの当たり前だろ」
その言葉に、胸が熱くなった。
「......ねえ、和哉」
「ん?」
「私、和哉のこと、本当に好きだと思う」
和哉の目が見開かれた。
「今、この瞬間だけかもしれないけど。でも、本当に好き」
涙が溢れた。
「リセットするたび、和哉に会うたび、また好きになる。それって、多分——本物なんだと思う」
和哉は優しく私を抱きしめた。
「ありがとう、梨紗」
彼の声が震えていた。
「俺も、梨紗のこと、ずっと好きだよ。これからも、毎日好きになる」
桜の花びらが、二人の周りを舞った。
「......約束して」
「何を?」
「私が忘れても、また好きにさせてって」
「当たり前だろ」
和哉は笑った。
「毎朝、毎日、何度でも。梨紗に好きになってもらえるよう頑張るよ」
その言葉が、胸に深く刻まれた。
忘れても、また思い出す。忘れても、また出会う。
そんな繰り返しの中で、私たちの物語は続いていく——。
