vino/nelle/vene

[“8月” いつもの癖と、運命の日]

「コーコーローちゃん!」

「わっ!」

「さっきのマジ凄かったよ!めっちゃ練習してたもんね〜。
コーチにも褒められてて、最強ってかんじ!」

「ま、まぁね。」

「あ~照れてるんだ〜!マジでこのギャップしんどい。
メロすぎるって〜!よっココロッ!!」

「もう、うるっさい。ミライってば、テンション上げすぎ。
私は、失敗して怒られるのが嫌だったの。練習しただけ。
 前から知ってるでしょ?あの鬼コーチ。
 一回教えたことは、いつでも見せられるくらい習得してるのが当たり前って感じなんだから!」

「でもでも!やっぱエグいって。気合入ってたよ!
 シェネとか、いつもよりも回ってたし。目線ズレないし。」

「そりゃさ。ウチらは、十年近くやってるわけだしさ。」
「まぁね?
 あっ、そういえばこれから委員会あるんだった。」

「いってら〜」
「もぉ~冷たいんだから〜」
「いいじゃん。昔の猫かぶりよりも、接しやすいっしょ。」

「あ、カコは?このあとの予定。」
「ウチは、学祭委員のミーティング。」
「あーね。9月だっけか。」
「そそ。
 でも、あんまり時間かかんないと思うし、ココロが大丈夫ならいつものとこ行きたい。」

「賛成!」
「おっけ。ミライは決まりね。ココロは?」
「ちなみに、どんくらい時間かかる?」
「1時間半くらい。」

「1コマ分か〜…。おっけ◎」

「なんだよ。おっけーかよ。
 じゃあ、学バスのとこ集合ね。」

「「はーい」」


 30分後、メッセージにて。

コ「飽きた。まだ?」

カ「さすがに、まだ。」
コ「やっぱ、先に席取って待っててもいい?」
カ「おっけ」
ミ「よろしく〜」

(運営委員と学祭委員のミーティング中なのに、
2人とも、やっぱりスマホ見てんの。自由かよ。)

 マイペースなココロは、マイペースな親友たちに呆れつつ、
正門を出て、右に曲がる。

 大学の最寄り駅近くにあるカフェは、恒例のたまり場で、
店員とも仲が良い。
 幼なじみの仲良し3人組は、そもそも珍しかったようで、
絡みやすかったのだろう。


 いつもの時間に、いつもの道。

 でも、今日は運命の日だった。

 メッセージは、ココロが見なくなった後も続いていた。

カ「そういえば。
  近くで、ヒカルのゲリラ公演やってるらしいよ。」