「ってことで、みなさんいいですか?」
…むにゃ、あれ。今は何の時間だ?
「あっ、荻くんはこれでいいよね」
「んぇー、どれが…?」
委員長・紀田 真美さんに声をかけられ、黒板を見る。
……ガダッ!!
「はっ!?」
勢いよく立つと、椅子が後ろの机に衝突した。
いや、そんなことより黒板の内容だ。
「なんで僕がヒロイン役なんだよ!!」
今は文化祭の出し物、劇の役決めの時間なんだが、ヒロイン役にされそうなんだよ。
まず、簡単なあらすじを言おうと思う。
『ヒロインは歌うのが好きな子で、放課後ひっそりと音楽室で歌っていた。そんなある日、ヒロインが音楽室へ向かうとピアノの音が。音楽室の中ではヒーローの男の子がピアノを弾いていた。それから2人は意気投合。放課後の演奏が日課に。ヒロインはひっそりとヒーローに好意を寄せていた。そんな中、ヒーローが転校することを知ったヒロインは…?』
という、かんなりベタな内容。
というか、これ僕の小説の内容なんだけど。しかも映画化されたやつ。
作者本人が言うのもなんだが、僕はこの作品がかなり嫌いだ。僕が書きたくて書いたものではないからね。
って、それよりも。
「えー」
「えーじゃねぇよ…っ」
なんでヒロインやらなきゃなんねーんだよ。
「まず第一に、ヒロインは女の子だろ?なんで男の子がやるんだよ!?」
くるっと後ろのカースト上位の女の子達を見た。
女の子たちはヒッと怯えたような顔になる。
「な、なんであーしらがヒロインやんなきゃなの…?」
「そうよ!別に美貌に恵まれてるわけじゃないんだから」
え?これのどこが美貌じゃないんだよ。
艶のある髪。ぷるぷるの肌。眼力のある瞳。
これぞカースト上位の女の子達って感じ。
ちなみに、ここまで詳しく言えたのは僕の小説家としての観察眼のお陰。別に僕自身が変態というわけではない。
「…っあ、苑田くん。どうかした?」
さっきから手を挙げていた苑田に気づいた紀田さんは、苑田に用を訊いた。
「いやぁ?ヒーロー役と言う重要な役に着いてるからにはやりやすくするために言いたいことがあって」
「どうしたの?」
紀田さんが優しく訊き返した。
言いたいこと?まさか、僕の書いた作品にケチつけるんじゃあ…。いや、僕の大ファンに限ってそれはないか。
あとコイツがヒーロー役とか終わってるって。
「内容ね、荻ちゃんが嫌がってるし、せめて青春系に変えね?」
コイツって言う時、僕の頭にコツンと指を当てた。
ちなみに、僕の隣に座るのが苑田だ。
「青春系…恋愛色をなくして普通に青春するってことよね」
「そそー」
紀田さんが軽く考え込むような素振りを見せている内に、教室がわっと湧いてきた。
勿論、皆んな苑田の意見に賛成だ。僕も激しく同意する。流石僕のダチ!と、初めて苑田を誇りに思った程だ。
「みんながいいならいいわよ…!」
紀田さんからのOKも出て、僕の心の中は拍手喝采。
紀田さんが台本を書き直してくれるそうで、この場は主人公が僕、その親友が苑田ということで落ち着いた。
チャイムが鳴り、皆んなが帰る準備を始める頃。
僕は行きつけのクレープ屋に向かった。
学校から離れた1キロ程。語彙力が無くなる程めちゃ美味しい。週2の月金。1週間頑張るぞと頑張ったねのご褒美で食べる。
「苺&バナナのチョコ抜き!」
「あいよー♪」
おばちゃんが明るく元気のある声で返事をして、奥にいるおじさんに「いつものねー」と声をかけた。
僕のことを把握してくれているようで、"いつもの"だけですぐに作業に取り掛かるのだ。
なんでも、毎週来る客は僕だけなのだとか…
「はい、お待ち」
ラーメン屋のようなおばちゃんのノリに少し呆れつつも、それがおばちゃんのアイデンティティだと思い苦笑する。
ただ、この苦笑はクレープを前にすると豹変してしまう。
あぁ、美味しそう…
やんわりと温かいクレープの生地に、ホイップと苺とバナナが包み込まれている。
甘酸っぱい苺の香りが鼻を掠めて、僕の口に齧り付いてと叫んでいる。
危うくよだれが垂れかけるとこだった。セーフ。
「頂きます…」
掠れ気味な声で、これがクレープに至るまでの過程に関わった全ての人に感謝する。
ひと齧り目。まずは生地のみ味わう。
ここのクレープの味は、面白いことに味がある。
いやいや、生地に味なんて小麦粉の味しかないでしょ。
それが違うんだな。ここのクレープはオレンジの味がついてる。オレンジの汁を絞って生地に混ぜたんだ。
これを考えたおじさんかおばちゃん。有難う。
だから、ここのクレープじゃなきゃダメなんだよぉ…
「おばちゃん、おじさん。…毎回神過ぎるて!!」
僕は語彙力無しのクレープの感想を伝えると、「不味いけどな」とおじさんに笑われた。
これのどこが不味いのか意味不明だ。
「ばあちゃーん。メシまだ?」
ふと、そんな声が立ち入り禁止の階段から、聞き覚えのある声が聞こえた。
いや、聞き覚えのあるっていうかなんていうか…
「ん…荻ちゃん!?」
あー、ほらやっぱり。苑田だった。
「荻ちゃん?それは女の子ですか??」
僕は声を変えて、顔を俯き気味に訊き返した。
心に決めた。ここは知らんぷりをする。
「…荻蒼。性別は男。身長は153センチのチビ…」
「黙れ苑田!?」
あ、シマッタ…
「やっぱ荻ちゃんじゃ〜ん♪」
ゲェ…反吐が出そうだ。
でも、出たらクレープにかかるので辞めておく。
「…チガイマスシ?」
い、いや。まだ可能性は…
「今更誤魔化しは効かなーい」
なかった。
残酷だ。この世界は残酷だ。
「いっその事飛び降り事件でも起こそうか」
「なんでそんな物騒な考えに至るの」
僕の真面目な考えに、ツッコミを入れる苑田。
こんなところは、場所や状況がどうであれ変わらない。
おばちゃんを会話に置いてけぼりにしていても、だ。
「えっと、2人は知り合いかい?」
「「あ」」
おばちゃんのこと、スッカリ忘れていた。まぁ、仕方がないとでも受け取ってくれ。
おばちゃんに階段の奥に案内され、おばちゃん達の家のお茶の間に座った。
おばちゃんに流されるがまま、僕らの関係やおばちゃんについての事などの会話を進める中、おばちゃんが苑田の祖母だということが発覚した。
そしたら、話の流れで文化祭に辿り着く。
「え、文化祭!?ちょっとぉ、このちゃんと荻くんが主演とか聞いてないわよぉ〜」
ルンルンで話すおばちゃんに引き気味になりながら、苑田のレアな表情を弄りたくなる。
「ばあちゃん、もうやめてよ」
「あら、もうこんな時間。荻くんは晩食べてく?あ、泊まっていってもいいのよ〜」
「ばあちゃんってぇ…」
テンションぶち上がり状態のおばちゃんに、苑田はとても苦労している。学校では自分勝手?な分、家ではおばちゃんの制御係で苦労しているんだろう。
可哀想な奴。それっぽっちの感想。
だがまぁ、困ってる苑田を観るのは珍しいので、僕は思わず笑ってしまった。
「えー、じゃあ泊まってこうかな♪」
「荻ちゃん!?」
現在一人暮らし中な僕は、親に泊まりの連絡を入れる必要性無し。
唖然としたと思いきや、更に慌て出す苑田はとても見物なもので。立派に高みの見物をしているとしよう。
「あらっ、今日はオムライスを作って貰おうかしらねぇ」
「おっ!楽しみだ」
ニヤニヤしながら苑田を見ると、恥ずかしそうに頬を紅色に染めている。
それがあまりにも絵になっていてムカついたので、「キモッ」と吐き捨ててやった。
それから突然のお泊り会が開催!
服を着て、ご飯を食べた。
おじさんのオムライスは絶品。さすが料理上手だ。
さて、寝る準備が整った。
苑田の部屋に敷かれた布団にゴロゴローッと転がる。
「太陽、というか。苑田んちの匂いがするぅ…」
「どんな匂いだよ」
苑田にぎゅーっと顔を押し付けていたら、苑田が小さく笑った。
落ち着く匂い、かなぁ。
心の中限定出で、少し真面目に答えてみた。
…当たり前だが、返事はない。突っ込まれるのに慣れていたので少し淋しく感じる。
僕がスマホをスライドさせていたら、僕らのスマホに通知音が届いた。クラスLINEか?と思いながら、通知をタップすると。
「!?」
「どした〜荻ちゃん」
僕が震える声で通知確認を促すと、数秒して「ほーん」という声が耳を通過した。
「台本、できたんだ?」
「らしいね…」
一見なんでもなさそうに見える苑田。だが内面は「早すぎじゃね!?」って驚いているに違いない。
一方僕はというと、スピードではなく内容に驚愕していた。完全に見たわけではない。強いていえば、始めをちょろっと拝見した程度だ。
でも、これは僕が書きたかったものだと直感で感じた。
僕が望んでいた作品だと。
2人して顔を見合わせ、スマホに連絡を入れる。
『今から練習する!』
同じタイミングに連絡を入れると、既読マークが10になっていた。そこから現在進行系で既読が増加する。
『おう!』
『頑張れよな笑』
『応援してるよ〜!』
応援の言葉が沢山で、気づけば僕らは笑い合っていた。仲間って、こんなにあったけーんだ。今更ながらそんなことに気づいたり。
寝るはずだった僕らは、いつのまにか夜通しの練習会を開いていた。
…むにゃ、あれ。今は何の時間だ?
「あっ、荻くんはこれでいいよね」
「んぇー、どれが…?」
委員長・紀田 真美さんに声をかけられ、黒板を見る。
……ガダッ!!
「はっ!?」
勢いよく立つと、椅子が後ろの机に衝突した。
いや、そんなことより黒板の内容だ。
「なんで僕がヒロイン役なんだよ!!」
今は文化祭の出し物、劇の役決めの時間なんだが、ヒロイン役にされそうなんだよ。
まず、簡単なあらすじを言おうと思う。
『ヒロインは歌うのが好きな子で、放課後ひっそりと音楽室で歌っていた。そんなある日、ヒロインが音楽室へ向かうとピアノの音が。音楽室の中ではヒーローの男の子がピアノを弾いていた。それから2人は意気投合。放課後の演奏が日課に。ヒロインはひっそりとヒーローに好意を寄せていた。そんな中、ヒーローが転校することを知ったヒロインは…?』
という、かんなりベタな内容。
というか、これ僕の小説の内容なんだけど。しかも映画化されたやつ。
作者本人が言うのもなんだが、僕はこの作品がかなり嫌いだ。僕が書きたくて書いたものではないからね。
って、それよりも。
「えー」
「えーじゃねぇよ…っ」
なんでヒロインやらなきゃなんねーんだよ。
「まず第一に、ヒロインは女の子だろ?なんで男の子がやるんだよ!?」
くるっと後ろのカースト上位の女の子達を見た。
女の子たちはヒッと怯えたような顔になる。
「な、なんであーしらがヒロインやんなきゃなの…?」
「そうよ!別に美貌に恵まれてるわけじゃないんだから」
え?これのどこが美貌じゃないんだよ。
艶のある髪。ぷるぷるの肌。眼力のある瞳。
これぞカースト上位の女の子達って感じ。
ちなみに、ここまで詳しく言えたのは僕の小説家としての観察眼のお陰。別に僕自身が変態というわけではない。
「…っあ、苑田くん。どうかした?」
さっきから手を挙げていた苑田に気づいた紀田さんは、苑田に用を訊いた。
「いやぁ?ヒーロー役と言う重要な役に着いてるからにはやりやすくするために言いたいことがあって」
「どうしたの?」
紀田さんが優しく訊き返した。
言いたいこと?まさか、僕の書いた作品にケチつけるんじゃあ…。いや、僕の大ファンに限ってそれはないか。
あとコイツがヒーロー役とか終わってるって。
「内容ね、荻ちゃんが嫌がってるし、せめて青春系に変えね?」
コイツって言う時、僕の頭にコツンと指を当てた。
ちなみに、僕の隣に座るのが苑田だ。
「青春系…恋愛色をなくして普通に青春するってことよね」
「そそー」
紀田さんが軽く考え込むような素振りを見せている内に、教室がわっと湧いてきた。
勿論、皆んな苑田の意見に賛成だ。僕も激しく同意する。流石僕のダチ!と、初めて苑田を誇りに思った程だ。
「みんながいいならいいわよ…!」
紀田さんからのOKも出て、僕の心の中は拍手喝采。
紀田さんが台本を書き直してくれるそうで、この場は主人公が僕、その親友が苑田ということで落ち着いた。
チャイムが鳴り、皆んなが帰る準備を始める頃。
僕は行きつけのクレープ屋に向かった。
学校から離れた1キロ程。語彙力が無くなる程めちゃ美味しい。週2の月金。1週間頑張るぞと頑張ったねのご褒美で食べる。
「苺&バナナのチョコ抜き!」
「あいよー♪」
おばちゃんが明るく元気のある声で返事をして、奥にいるおじさんに「いつものねー」と声をかけた。
僕のことを把握してくれているようで、"いつもの"だけですぐに作業に取り掛かるのだ。
なんでも、毎週来る客は僕だけなのだとか…
「はい、お待ち」
ラーメン屋のようなおばちゃんのノリに少し呆れつつも、それがおばちゃんのアイデンティティだと思い苦笑する。
ただ、この苦笑はクレープを前にすると豹変してしまう。
あぁ、美味しそう…
やんわりと温かいクレープの生地に、ホイップと苺とバナナが包み込まれている。
甘酸っぱい苺の香りが鼻を掠めて、僕の口に齧り付いてと叫んでいる。
危うくよだれが垂れかけるとこだった。セーフ。
「頂きます…」
掠れ気味な声で、これがクレープに至るまでの過程に関わった全ての人に感謝する。
ひと齧り目。まずは生地のみ味わう。
ここのクレープの味は、面白いことに味がある。
いやいや、生地に味なんて小麦粉の味しかないでしょ。
それが違うんだな。ここのクレープはオレンジの味がついてる。オレンジの汁を絞って生地に混ぜたんだ。
これを考えたおじさんかおばちゃん。有難う。
だから、ここのクレープじゃなきゃダメなんだよぉ…
「おばちゃん、おじさん。…毎回神過ぎるて!!」
僕は語彙力無しのクレープの感想を伝えると、「不味いけどな」とおじさんに笑われた。
これのどこが不味いのか意味不明だ。
「ばあちゃーん。メシまだ?」
ふと、そんな声が立ち入り禁止の階段から、聞き覚えのある声が聞こえた。
いや、聞き覚えのあるっていうかなんていうか…
「ん…荻ちゃん!?」
あー、ほらやっぱり。苑田だった。
「荻ちゃん?それは女の子ですか??」
僕は声を変えて、顔を俯き気味に訊き返した。
心に決めた。ここは知らんぷりをする。
「…荻蒼。性別は男。身長は153センチのチビ…」
「黙れ苑田!?」
あ、シマッタ…
「やっぱ荻ちゃんじゃ〜ん♪」
ゲェ…反吐が出そうだ。
でも、出たらクレープにかかるので辞めておく。
「…チガイマスシ?」
い、いや。まだ可能性は…
「今更誤魔化しは効かなーい」
なかった。
残酷だ。この世界は残酷だ。
「いっその事飛び降り事件でも起こそうか」
「なんでそんな物騒な考えに至るの」
僕の真面目な考えに、ツッコミを入れる苑田。
こんなところは、場所や状況がどうであれ変わらない。
おばちゃんを会話に置いてけぼりにしていても、だ。
「えっと、2人は知り合いかい?」
「「あ」」
おばちゃんのこと、スッカリ忘れていた。まぁ、仕方がないとでも受け取ってくれ。
おばちゃんに階段の奥に案内され、おばちゃん達の家のお茶の間に座った。
おばちゃんに流されるがまま、僕らの関係やおばちゃんについての事などの会話を進める中、おばちゃんが苑田の祖母だということが発覚した。
そしたら、話の流れで文化祭に辿り着く。
「え、文化祭!?ちょっとぉ、このちゃんと荻くんが主演とか聞いてないわよぉ〜」
ルンルンで話すおばちゃんに引き気味になりながら、苑田のレアな表情を弄りたくなる。
「ばあちゃん、もうやめてよ」
「あら、もうこんな時間。荻くんは晩食べてく?あ、泊まっていってもいいのよ〜」
「ばあちゃんってぇ…」
テンションぶち上がり状態のおばちゃんに、苑田はとても苦労している。学校では自分勝手?な分、家ではおばちゃんの制御係で苦労しているんだろう。
可哀想な奴。それっぽっちの感想。
だがまぁ、困ってる苑田を観るのは珍しいので、僕は思わず笑ってしまった。
「えー、じゃあ泊まってこうかな♪」
「荻ちゃん!?」
現在一人暮らし中な僕は、親に泊まりの連絡を入れる必要性無し。
唖然としたと思いきや、更に慌て出す苑田はとても見物なもので。立派に高みの見物をしているとしよう。
「あらっ、今日はオムライスを作って貰おうかしらねぇ」
「おっ!楽しみだ」
ニヤニヤしながら苑田を見ると、恥ずかしそうに頬を紅色に染めている。
それがあまりにも絵になっていてムカついたので、「キモッ」と吐き捨ててやった。
それから突然のお泊り会が開催!
服を着て、ご飯を食べた。
おじさんのオムライスは絶品。さすが料理上手だ。
さて、寝る準備が整った。
苑田の部屋に敷かれた布団にゴロゴローッと転がる。
「太陽、というか。苑田んちの匂いがするぅ…」
「どんな匂いだよ」
苑田にぎゅーっと顔を押し付けていたら、苑田が小さく笑った。
落ち着く匂い、かなぁ。
心の中限定出で、少し真面目に答えてみた。
…当たり前だが、返事はない。突っ込まれるのに慣れていたので少し淋しく感じる。
僕がスマホをスライドさせていたら、僕らのスマホに通知音が届いた。クラスLINEか?と思いながら、通知をタップすると。
「!?」
「どした〜荻ちゃん」
僕が震える声で通知確認を促すと、数秒して「ほーん」という声が耳を通過した。
「台本、できたんだ?」
「らしいね…」
一見なんでもなさそうに見える苑田。だが内面は「早すぎじゃね!?」って驚いているに違いない。
一方僕はというと、スピードではなく内容に驚愕していた。完全に見たわけではない。強いていえば、始めをちょろっと拝見した程度だ。
でも、これは僕が書きたかったものだと直感で感じた。
僕が望んでいた作品だと。
2人して顔を見合わせ、スマホに連絡を入れる。
『今から練習する!』
同じタイミングに連絡を入れると、既読マークが10になっていた。そこから現在進行系で既読が増加する。
『おう!』
『頑張れよな笑』
『応援してるよ〜!』
応援の言葉が沢山で、気づけば僕らは笑い合っていた。仲間って、こんなにあったけーんだ。今更ながらそんなことに気づいたり。
寝るはずだった僕らは、いつのまにか夜通しの練習会を開いていた。
