「お疲れさまでした」
燈子は水筒からコップに水を注ぎ、寄って来た颯雅の前に置いた。
『ありがとう』
彼はぴちゃぴちゃと水を飲んだ。
遊び回る軍用犬は無邪気で、飼われた犬と違いなく見える。
犬は怖くて自分から近寄ったことなどない。が、颯雅の仲間である軍用犬とは仲良くなっておきたい。撫でたら仲良くなれるだろうか。
そう思って犬に近寄って手を伸ばしたとき。
『やめろ!』
怒声が飛んで、燈子はびくっとした。
たたっと走ってきた颯雅が燈子の前に立つ。
『安易に撫でようとするな。普通の犬だってむやみに手を出せば危ないものを』
「ご、ごめんなさい、つい……」
『ワクチンを射っているから病気は大丈夫だろうが、噛まれると手に穴くらい簡単に開くぞ』
「はい」
怒られた燈子はしゅんとうなだれた。
「どうした、いつもなら反論するだろうが」
たずねる颯雅に、燈子は軽く首をふった。
「その通りですから。私の考えが甘かったです」
『……わかればいいんだ』
「でも、ワクチンってなんですか?」
『病気の原因の一つに細菌やウィルスが関係している場合があるのは知っているか?』
颯雅に聞かれ、燈子は頷く。
燈子は水筒からコップに水を注ぎ、寄って来た颯雅の前に置いた。
『ありがとう』
彼はぴちゃぴちゃと水を飲んだ。
遊び回る軍用犬は無邪気で、飼われた犬と違いなく見える。
犬は怖くて自分から近寄ったことなどない。が、颯雅の仲間である軍用犬とは仲良くなっておきたい。撫でたら仲良くなれるだろうか。
そう思って犬に近寄って手を伸ばしたとき。
『やめろ!』
怒声が飛んで、燈子はびくっとした。
たたっと走ってきた颯雅が燈子の前に立つ。
『安易に撫でようとするな。普通の犬だってむやみに手を出せば危ないものを』
「ご、ごめんなさい、つい……」
『ワクチンを射っているから病気は大丈夫だろうが、噛まれると手に穴くらい簡単に開くぞ』
「はい」
怒られた燈子はしゅんとうなだれた。
「どうした、いつもなら反論するだろうが」
たずねる颯雅に、燈子は軽く首をふった。
「その通りですから。私の考えが甘かったです」
『……わかればいいんだ』
「でも、ワクチンってなんですか?」
『病気の原因の一つに細菌やウィルスが関係している場合があるのは知っているか?』
颯雅に聞かれ、燈子は頷く。



