翌日の朝食は功之輔と颯雅、燈子の三人でいただいた。颯雅の母は颯雅が生まれたときに体調を崩し、以来、離れで寝込んでいるという。
ご挨拶はいつになるのかな、と思いながら食卓を見て燈子は唾を飲み込んだ。
昨夜の食事は美味しかったが、今朝もまたおいしそうだ。
白いご飯はつやつやでほかほか。焼いた塩しゃけに出し巻き卵、湯気のたつ御御御付、おしんこ、おひたし、きんぴらごぼう。朝からこんなにたくさん目の前に並ぶのは初めてだ。しかも温かいものは温かい状態で提供されている。いつもは冷たい残りものばかりだったので、これは嬉しい。
燈子の向かいには颯雅が座り、その隣には功之輔が座っている。
いただきます、と一緒に挨拶をしてご飯を口に入れる。もちもちした触感で、噛むたびに甘みが広がる。御御御付は出汁と味噌が絶妙だ。
夢中になって味わっていると、功之輔から意外なことを言われた。
「燈子さんには今日、軍の駐屯所に来ていただきたい」
箸を止めてきょとんと功之輔と見る。
「婚約者として顔を見せておいたほうがいいと思ってな」
『そんな慣例なぞない、必要ない!』
颯雅の抗議に、燈子は功之輔にたずねる。
「そんな慣例はないそうですが」
「今回は特別だ。颯雅の言葉を理解できるのだからな」
『正確に伝えてもらえなくては意味がない!』
颯雅の言葉をスルーして、燈子は計算する。ここで顔を売っておけば婚約者としての外堀を埋められる。好都合だ。
ご挨拶はいつになるのかな、と思いながら食卓を見て燈子は唾を飲み込んだ。
昨夜の食事は美味しかったが、今朝もまたおいしそうだ。
白いご飯はつやつやでほかほか。焼いた塩しゃけに出し巻き卵、湯気のたつ御御御付、おしんこ、おひたし、きんぴらごぼう。朝からこんなにたくさん目の前に並ぶのは初めてだ。しかも温かいものは温かい状態で提供されている。いつもは冷たい残りものばかりだったので、これは嬉しい。
燈子の向かいには颯雅が座り、その隣には功之輔が座っている。
いただきます、と一緒に挨拶をしてご飯を口に入れる。もちもちした触感で、噛むたびに甘みが広がる。御御御付は出汁と味噌が絶妙だ。
夢中になって味わっていると、功之輔から意外なことを言われた。
「燈子さんには今日、軍の駐屯所に来ていただきたい」
箸を止めてきょとんと功之輔と見る。
「婚約者として顔を見せておいたほうがいいと思ってな」
『そんな慣例なぞない、必要ない!』
颯雅の抗議に、燈子は功之輔にたずねる。
「そんな慣例はないそうですが」
「今回は特別だ。颯雅の言葉を理解できるのだからな」
『正確に伝えてもらえなくては意味がない!』
颯雅の言葉をスルーして、燈子は計算する。ここで顔を売っておけば婚約者としての外堀を埋められる。好都合だ。



