「そうなんだ。オレも自分のことについて少し考えてみるよ」
そう告げて立ち上がったものの、足が前に動かない。自分の意志に従わない身体を見下ろし、異変を探すが何も見付からない。
それはそうだ。最初から分かっていたこと。その理由は自分の中にある―――――一人になりたくないんだ。誰でもいいから傍にいて欲しい。人の存在を感じていたい。胸の中心にぽっかりと穴が開いて、今までも持っていたものが次々と零れ落ちていく。空っぽになる自分を誤魔化すためにも、一人になることができない。たぶん彼女も同じ気持ちに違いない。だから、座ったんだ。
ポケットに突っ込んでいたスマートフォンがブルブルと振動する。
さっきから何度も繰り返されるシグナルは、間違いなく友達、だったヤツラからの連絡。合格を知らせるための、落伍者を確認するための電話。ポケットからスマートフォン取り出し、表示されている名前を目にして笑う。そして、笑いながらブロックした。賢いあの人達は、きっとこれで理解するだろう。理解して、即座にグループチャットに書き込むに違いない。
>アイツに電話したらブロックされたぞ。ありゃあ、入試に落ちたな。バカ過ぎるわ、マジでウケる。
でも、反論の余地もない。本当のことだから。
あー本当に嫌になる。この期に及んで、誰かに頼ろうとする自分自身に腹が立つ。
振り返ると、オレは隔て板ギリギリに顔を近付けた。 ・・・ 83 へ
そう告げて立ち上がったものの、足が前に動かない。自分の意志に従わない身体を見下ろし、異変を探すが何も見付からない。
それはそうだ。最初から分かっていたこと。その理由は自分の中にある―――――一人になりたくないんだ。誰でもいいから傍にいて欲しい。人の存在を感じていたい。胸の中心にぽっかりと穴が開いて、今までも持っていたものが次々と零れ落ちていく。空っぽになる自分を誤魔化すためにも、一人になることができない。たぶん彼女も同じ気持ちに違いない。だから、座ったんだ。
ポケットに突っ込んでいたスマートフォンがブルブルと振動する。
さっきから何度も繰り返されるシグナルは、間違いなく友達、だったヤツラからの連絡。合格を知らせるための、落伍者を確認するための電話。ポケットからスマートフォン取り出し、表示されている名前を目にして笑う。そして、笑いながらブロックした。賢いあの人達は、きっとこれで理解するだろう。理解して、即座にグループチャットに書き込むに違いない。
>アイツに電話したらブロックされたぞ。ありゃあ、入試に落ちたな。バカ過ぎるわ、マジでウケる。
でも、反論の余地もない。本当のことだから。
あー本当に嫌になる。この期に及んで、誰かに頼ろうとする自分自身に腹が立つ。
振り返ると、オレは隔て板ギリギリに顔を近付けた。 ・・・ 83 へ



