SIDE:A / SIDE:B

 あなた(・・・)は、真っ暗な公園でベンチに座る人影を目にした。
 暗闇の中、街灯がスポットライトのように照らし出している人物に、あなた(・・・)は見覚えがあった。数ヶ月前、今と同じように項垂れていた高校生だ。急いでいる訳ではないため、前回同様に声を掛けることにした。

 突然声を掛けられたため彼は少し驚いたが、思い出したのか軽く頭を下げる。そして、隣に腰を下ろしたあなた(・・・)に最近あったことを話した。


『 なるほど。まずは、現状を正確に把握することが必要になるね。
 常識的に考えて、今でも中々点数が伸びない領域にいるのに、これから10日ほどで学力をつけて、ケアレスミスを無くし、40点もアップさせることは不可能だと思う。当たり前に判断すると、今回は諦めて次回で勝負する方が良いと思う。幸い、彼女の父親との約束に期限は無いようだし、彼女には追加でメッセージを送信すればいい。できないことは、やはりできない。努力したからといって、必ず報われる訳ではないんだよ。それに、方法は一つではない、と思うんだ。テストの点数が人生の全てではないんだから、彼女の父親を納得させる方法は他にもあるのではないのかな。それを考えて、もう一度会いに行く、なんて方法も検討してもいいと思うよ。
 余り自分の言葉に縛られないように、柔軟な思考を忘れないようにね 』 ・・・ 107 へ


『 何が正解とは言えない問題だね。
 現実的に、これからの10日で40点も上がるとは思えない。だけど、試験問題との相性もあるし、マーク式なんんだから、もしかしたら奇跡的に正解する可能性も否定できない。大事なことは、最後まで諦めないことだ。別に、逃げたっていい。自分の宣言を無かったことにしてもいい。約束を反故にしたところで誰にも迷惑は掛からないし、世界中に公表した訳でもないのだから誰かに非難されることもない。だけど、自分の心に針のように刺さって一生抜けることはないんだ。ずっと、チクリチクリと痛み続ける。
 それに、キミは彼女の信用を全て失う。もう二度と、彼女が本当の意味でキミを信じることはない。
 言い訳を並べて逃げることはいつでもできる。最後まで頑張ってもないのに、逃げ道を考えるのはやめたほうがいい。失敗した後でも、逃げることも、言い訳を並べることはできるよね。でも、そんな格好悪いことは、もうしたくないいんじゃないのかい?最後までやり切るべきだ。 』 ・・・ 38 へ