SIDE:A / SIDE:B

 再び足が止まる。
 それでも、どうにか振り返ることだけはしない。
 確かに友達だった。
 一緒に頑張っていた。
 全国を目指して休みなく練習をした。
 誰よりも上手くなりたくて。
 いつだって1番になりたくて。
 必死に走って、跳んで、シュートした。
 でもさ、もう終わったことなんだよ。
 それは、もう置いてきたんだよ。
 皐月中央高校のバスケットボール部に入部できなかった時点で、入試に失敗した瞬間に失ってしまったんだよ。
 2人には分からない。
 絶対に分からない。
 分かるはずがない。
 だからもう、2人とは友達でもなければ仲間でもない。
 もう、ただの他人でしかないんだ。

 背を向けたまま再び歩き始める。
 頼むから、もうオレの気持ちを乱すのはやめてくれ。
 せっかく考えないようにしているのに。
 やっと違う世界に馴染んできたのに。
 もう、思い出させないでくれ。

 ホームに滑り込んできた電車を追い掛けるように移動して先頭車両に乗り込む。
 光世も颯真も、もう追い掛けてくることはなかった。
 そう、それでいい。
 もう、オレ達が交差する世界線は存在しないんだから。
 いつもは意識していないが、なぜか今日は中学校の校舎が目に写る。
 毎日見ているはずなのに、こんなに気になったことはなかった。

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