SIDE:A / SIDE:B

 自分を客観的に見詰め直さなければならない。
 自分は一体に何がしたいのか、何をしなければならないのか。
 それができないことを前提とするのではなく、どうすればできるのかを考える。
 そのためには、自分を客観的に見詰める必要がある。自分のことを自分の判断基準で判断するのではなく、可能な限り第三者の目線で捉える必要がある。

 今自分がやらなければいけないことは、また華那と一緒にいられるようにすることだ。
 諦める、もう考えないようにすることは、時間が解決するだろう。どんなに強く思っていても、人間は忘れる生き物だ。忘れることで心の安寧を保とうとする。そんな人間の防衛本能は、意志の力でどうにかなるものではない。でも、それが本当の意味での解決になるとは思えない。一度、大切なものを簡単に捨ててしまうような選択をすれば、ずっと負け犬のままで過ごしていかなければならない。同じようなことがある度、壁にぶつかる度に尻尾を巻いて逃げ出すようになってしまう。そんなのは嫌だ。そもそも、オレは絶対に華那のことを忘れたくない。
  それならば、できない理由を並べて自分を説得るするよりも、どうすれば自分の目的が達成できるのか考えた方がいいに決っている。どうしても心が折れそうになったときは、立ち止まって力を蓄えればいい。投げ出さない限り、絶対に何か方法はあるはずだ。

 自分の目標と意志を確認すると、自然に自分の現在地を確認するようになる。

 もし、自分と同じような境遇の人に出会ったら、どう思うだろうか。
 たぶん、呆れてしまうだろう。
 きっと、バカバカしくて笑ってしまう。
 だって、受験に失敗したからどうだというのか。もし、本当に学力が全てだと思うのであれば、今この時も勉強すればいいだけの話だ。どこにいたって勉強はできるし、学力なんて自分自身の問題だ。それを、他人のせいにして、環境のせいにして、勝手にいじけて塞ぎこんで、被害者のような顔をしている。自分の責任なのに自分で背負わず、周囲の人達を見下して、自分は違うと、自分は特別な人間だと言い張っている。
 見苦しい。
 滑稽だ。
 本当に、恥ずかしい。

 華那はオレを見下したことなどなかった。
 華那は自分の失敗を受け止めて、先のことを考えていた。
 オレだけが、立ち止まって、振り向いて、自分のことを直視することもなく、ただ現実から逃げていたんだ。


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