SIDE:A / SIDE:B

 予想はしていたが、翌日から親睦会を取り仕切っていた島崎(しまざき)がクラスの中心になっていた。当然のように、昨日の誘いを断って顔を潰した形になったオレと華那はクラスで無視されるようになった。島崎は得意気な顔でオレの方を見ていたが、最初から関わるつもりがなかったため、何の問題もない。逆に疎遠になれるため、願ったり叶ったりだ。一応、特別(・・)進学クラスという名称が付いているはずなのだが、こんな低レベルな嫌がらせをしていくるとか笑ってしまう。

 しかし、そのクラスを巻き込んだ嫌がらせは直ぐに終わりを迎えた。入学1週間後に、早くも主要5教科の実力テストが実施されたのだ。入学時点での学力を確認する意味なのだろうが、ここ神楽坂高校では上位100人までの氏名と得点が中央掲示板に貼り出される。それなりに難易度の高い問題であったが、一応、選ばれたはずの特別進学クラスに所属しているのだ。全員がその中にいなければ笑い者になってしまう。

 結果は、1位が華那で497点、2位がオレで475点、3位はクラスメートだったが455点だった。ちなみに、100位の点数は350点を切っていたが、そこまでに島崎の名前だけが載っていなかった。
 実力テストの結果が発表されると、クラスメート達が面白いほど手の平を返した。しかし、元々相手にするつもりがなかったのだ。群れるようなことはせず、これまで通り華那と2人で過ごしている。オレ達に対する態度の変化とは逆に、島崎の相手をする者はいなくなった。このクラスは一応学力で選ばれたメンバーだ。思考的には学力重視で間違いない。100位にも入れない学力では、相手にされなくなるのは当然結果だ。

 それにしても、クラスメートのオレ達に対する態度の変化には辟易する。これまで露骨に無視していたくせに、休憩時間になると話し掛けてくる生徒がいる。華那に対しても同じような状況だ。
 オレは元々仕方なくこの学校に通っているだけで、本来はここにいるべき人間ではない。華那については、ほとんど別次元の存在だ。オレも華那もお前達とは違う。仲間だと勘違いして欲しくない。

 ああ、もう、本当にイライラする。
 特に用事はないが、少しストレスを発散したい気分だ。
「華那、帰りに本町に行かないか?」
 本町はここ皐月市の中心で、大規模な商店街を始め大手のショッピングモールやゲームセンターなどがある繁華街がある。放課後になると市内の中高生や大学生が集ってくる。ただ、治安の悪いエリアもあり、遅い時間帯になると注意が必要にはなる。
「いいけど、何か用事?」



『 特に用事はないし面倒臭いので「いや、やっぱりいい」と言って中止する。 』 ・・・ 71 へ

『 普通に「遊びに」と答えて、改めて誘う。 』 ・・・ 78 へ