SIDE:A / SIDE:B

 3on3の試合に勝ち、ここ最近の出来事に一区切りがついた。
 瑠架は右足を軽い捻挫、大介は両足が攣って動けなくなっていた。その後、しばらく休憩してある程度復活した大介が、瑠架を連れて帰ることになった。祝勝会は明日以降に開催することに決定した。駅で2人と別れ、オレは莉緒と一緒に電車に乗り込む。何となく、何をどう伝えればいいのか分からず黙り込んでしまう。莉緒も何を考えているのか、全く口を開かない。そのため、お互いに無言まま神流駅に到着してしまった。

 何をどうすれば良いのか考えがまとまらなくて、改札を抜けたところで足を止めた。
「ちょっと寄らないといけない所があるから、また、な」
 言外に同行を拒否する言葉を付け加える。それを耳にした莉緒の表情が曇る。それでも、今は一緒にいることができない。
「うん、またね」
 そう返事をするしかない莉緒が背を向けて歩いて行く。
 オレは自分の考えをまとめるため、いつも通っていた公園に足を向けた。

 もう公園に子供達の姿は無い。
 まだ薄暗いレベルであるが、時刻はもう19時を過ぎている。良い子は家に帰っている時間だ。そんな静かになった公園でいつものベンチに座って空を見上げる。中途半端な規模の街ではあるが、この周辺はそれなりにマンションや住宅が多いエリアで明るい。澄み切った空気の中でしか見えない3等級以下の星は全く分からない。1等級の有名な星座ですら、深夜にならなければ見えはしない。それでも、必死に星座を探す。
 こと座が有名なんだったかな。
 織姫がベガだっけ。
 夏の第三角形とか教科書に載っていた記憶がある。

 ベンチの背もたれに身体を預け、夜空を見上げて必死に探す。
 どこかにあるはずなんだ。
 絶対に、どこかにあるはずなんだ。

 必死に探す。
 星も答えも、どこかに絶対あるはずなんだ。
 ああ、もう、どこにあるんだよ!!


 その時、聞き覚えのある声が聞こえた―――――









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