SIDE:A / SIDE:B

「ごめん、今日はパス」
 瑠架と大介が顔を見合わせて嘆息する。気を遣ってくれているのは分かるが、今は和気藹々と食事をする気分ではない。
「そっか、まあ、学食に行ってるから後からでも来いよ」
 大介はヒラヒラと手を振りながら背を向ける。それに続いて瑠架もスキップで教室を出て行った。

 出会いに恵まれたと思う。受験に失敗して何もかもがどうでも良くなって、考えることを放棄して遊びに行ったショッピングモールで2人に出会った。いや、あれは出会いではなくナンパだ。それでも、もし、2人に出会っていなければと思うとゾッとする。今頃どうなっていただろうか。もしかしたら、高校を退学して裏社会のボスになっていたかも知れない。いや、アマゾンのジャングルで金の盗掘をしていた可能性すら否定できない。本当に運が良かったと思う。

「ああ、そうか」
 無意識に零れた言葉に思わず笑ってしまう。
 もう、独りで悩むのは止めよう。考えても分からないのなら一緒に考えてもらおう。せっかく、頼れる仲間がいるのだから。

 自分の席から立ち上がると、既にまばらになっているクラスメートの間を通り抜けて教室を出た。

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