SIDE:A / SIDE:B

 確かにその通りだと、納得して頷いた。
 突然話し掛けられて驚いたが、いつの間にか全てを話していた。
 誰かに聞いて欲しかったのだ。一度には抱え切れなくて、気持ちを整理するためにも誰かに話したかったのだろう。話しをしているうちに考えがまとまり、自分にとっての取捨選択の優先順位を理解した。自分の力でどうにもできない事は、どうにでもなっていい事だ。切り替えることが必要だ。

 華那はもう手の届かないところに行ってしまった。もう会うこともできなければ、声を聞くことすら叶わない。父親には罵倒され、友達として付き合うことさえ拒絶されてしまった。もう、どうすることもできない。だから、もう切り替えるしかない。
 この白いブレザーを恥だと思っていた。だけど、これが現状なら受け入れるしかない。今さらどう足掻いたところで、底辺を這いずり回る人生しか望めない。それなら、もう切り替えるしかない。バカな自分を受け入れて、偏差値が高い人達を支える努力をしなければならない。

 何を焦っていたのだろう。
 何に不満を抱いていたのだろう。
 大多数の人間は、その他大勢でしかないのだ。
 切り替えていこう。
 できないことは切り捨てればいい。
 手が届かないものは諦めればいい。
 そうすれば何も悩むことはなく、煩わされることもない。

 平穏で安寧な人生が目の前に広がっていく。


 思考を切り替えるだけで、全てが上手くいくのだ。










END