「オレが、さっきの合格発表で落ちてた、ってのは知ってるよね?」
唐突に話し始めたことで、黒井が驚いてこちらを見る。
「いや、聞いていてくれるだけでいいんだ」
全く返事をしない黒井に対し、手で制するようにして続ける。
「ぶっちゃけ、落ちるなんて思ってもいなかったから、まだ考えがまとまっていないんだ。内申点も十分に合格圏内だったし、当日の試験も自己採点では合格圏内だった。今年のデータが出ていないから、もしかすると今年は倍率が上がっていたのかも知れない。それでも、合格しないはずがなかった。今年からマークシート形式になったから、もしかするとマークする場所を間違えたのかも知れない。その可能性は十分に有り得る。いや、マークシートだけに、答えが分からなかった人が、たまたま何問も勘が当たったという可能性も捨てきれない。もしかすると、マークが薄くてカウントされていない問題があるのかも知れない。いや、きっとそうだ。そうに違いない。
あ、ああ、えっと、だから、何が言いたいかというと、落ちはしたけど、ギリギリだったと思う。いや、次点だった可能性が高い。あと1問、偶然でもいいから正解していたら合格していたと思う、んだよ」
返事も相槌も許さない勢いで喋り続け、息苦しくて、頭が痛くなってきて口を閉じた。心境や境遇を言葉にしたためか、色々なことが頭の中で整理されている。
「そうだね。何か、言いたいことは分かる気がするよ」
数秒して、黙って聞いていた黒井が頷いた。
「もちろん分かっていると思うけど、私もさっき発表された合格発表に自分の受験番号を見付けることができなかった一人。
私はさ、小学校から中学校まで女子校で、もう女の子ばかりの環境に嫌気がさして、共学の高校に進学するために受験したんだ。エスカレーター式だから内部進学は比較的簡単だったんだけど、それを断った。トータル12年間も女子校とか、ちょっと笑えないし。最悪、大学まで上がっちゃうと16年になるから。確かに、そんな先輩は結構いるよ。でも、それは絶対に嫌だったから、担任や親、それに友達の反対も押し切って公立高校の受験をした。でも、落ちちゃって。ハハハ、恥ずかしくて、もう友達には会えないし、それより何より、親に合わせる顔がなくて・・・だから、死んでしまおうかって。それなら会うこともないからね」
先ほどの光景を思い出し、思わず身を乗り出す。
そんなオレの行動を見て、黒井が苦笑いする。
「大丈夫。ちょっと落ち着いたから、受験に失敗したことを理由にもう飛んだりしないよ。それに、今度飛ぶときは、真鍋君オススメの高層ビルから飛ぶことにするよ」
感情が抜け落ちた笑顔を浮かべる黒井が恐い。
それでも、やはりと言うか、同じような状況に親近感を覚えてしまう。
『 「じゃあ、今から死に場所を探しに行こうか」 』 ・・・ 48 へ
『 「何かいけなかったんだろうな」 』 ・・・ 19 へ
唐突に話し始めたことで、黒井が驚いてこちらを見る。
「いや、聞いていてくれるだけでいいんだ」
全く返事をしない黒井に対し、手で制するようにして続ける。
「ぶっちゃけ、落ちるなんて思ってもいなかったから、まだ考えがまとまっていないんだ。内申点も十分に合格圏内だったし、当日の試験も自己採点では合格圏内だった。今年のデータが出ていないから、もしかすると今年は倍率が上がっていたのかも知れない。それでも、合格しないはずがなかった。今年からマークシート形式になったから、もしかするとマークする場所を間違えたのかも知れない。その可能性は十分に有り得る。いや、マークシートだけに、答えが分からなかった人が、たまたま何問も勘が当たったという可能性も捨てきれない。もしかすると、マークが薄くてカウントされていない問題があるのかも知れない。いや、きっとそうだ。そうに違いない。
あ、ああ、えっと、だから、何が言いたいかというと、落ちはしたけど、ギリギリだったと思う。いや、次点だった可能性が高い。あと1問、偶然でもいいから正解していたら合格していたと思う、んだよ」
返事も相槌も許さない勢いで喋り続け、息苦しくて、頭が痛くなってきて口を閉じた。心境や境遇を言葉にしたためか、色々なことが頭の中で整理されている。
「そうだね。何か、言いたいことは分かる気がするよ」
数秒して、黙って聞いていた黒井が頷いた。
「もちろん分かっていると思うけど、私もさっき発表された合格発表に自分の受験番号を見付けることができなかった一人。
私はさ、小学校から中学校まで女子校で、もう女の子ばかりの環境に嫌気がさして、共学の高校に進学するために受験したんだ。エスカレーター式だから内部進学は比較的簡単だったんだけど、それを断った。トータル12年間も女子校とか、ちょっと笑えないし。最悪、大学まで上がっちゃうと16年になるから。確かに、そんな先輩は結構いるよ。でも、それは絶対に嫌だったから、担任や親、それに友達の反対も押し切って公立高校の受験をした。でも、落ちちゃって。ハハハ、恥ずかしくて、もう友達には会えないし、それより何より、親に合わせる顔がなくて・・・だから、死んでしまおうかって。それなら会うこともないからね」
先ほどの光景を思い出し、思わず身を乗り出す。
そんなオレの行動を見て、黒井が苦笑いする。
「大丈夫。ちょっと落ち着いたから、受験に失敗したことを理由にもう飛んだりしないよ。それに、今度飛ぶときは、真鍋君オススメの高層ビルから飛ぶことにするよ」
感情が抜け落ちた笑顔を浮かべる黒井が恐い。
それでも、やはりと言うか、同じような状況に親近感を覚えてしまう。
『 「じゃあ、今から死に場所を探しに行こうか」 』 ・・・ 48 へ
『 「何かいけなかったんだろうな」 』 ・・・ 19 へ



