そしてもう1つ、一番大事なことがある。
それは、華那に対する宣言と、華那の父親の言質を取ることだ。
いつも一緒にいた時はともかく、離れ離れになった今、華那の気持ちがどうなっているのかは分からない。あの時は、お互いの気持ちは手に取るように分かったし、きっと同じ思いだったに違いない。でも、今はどうなっているのか分からない。簡単に思いが変わるような人ではないことは十分に知っている。そうだとしても、それを確認するためにも、会わなければならない。それに、自分の気持ちもハッキリと伝えたいんだ。
そのためには、まず華那の父親が強く恨んでいる学歴の壁を越える必要がある。その壁を打ち壊して、華那と会ってもいいという許可を得なければならない。目を盗んで会ったとしても、それはその場しのぎにしかならない。
20時過ぎ。華那の門限や口ぶりからして、この時間帯には華那の父親は帰宅している可能性が高い。オレはドキドキと強く打ち付ける心臓を服の上から押さえながら、何度も躊躇した後で玄関ブザーを鳴らした。
「はい」
数秒待った後、インターフォンから低い男性の声が聞こえた。聞き覚えのある声。この声を聞くと、より一層心臓の鼓動が速くなる。
「隣の真鍋です」
「ちょっと待って下さい」
オレだと気付いてない様子で、華那の父親が返事をする。暫くすると玄関でガチャガチャという音がしてドアが開いた。
「こんばんは」
外にいたオレを目にし、父親は怪訝そうな表情をする。それはそうだろう。つい2週間ほど前、この同じ玄関で怒鳴り付けた相手なのだから。それに気付いたのか、開けたドアを閉めようとする。ドアノブを掴んでそれを制止すると、力任せに閉められる前に言いたいことを伝える。
「あの、もし、全国共通実力テストでお父さんが納得するような結果が出せたら、華那さんと友達でいることを許して下さい。ゴールは高校ではないことを証明できたら、認めて欲しいんです」
一瞬、オレが何を言っているのか分からない様子だったが、言葉を咀嚼した後で笑った。
「納得する結果?いいだろう。私が納得する結果を持って来たら、友達でいることを許そうじゃないか。納得できればな」
バカにしたような笑みを浮かべる父親に対し、負けじと笑みを返す。
「その言葉、忘れないで下さいね」
直後、黒井家の玄関扉は固く閉ざされた。
もう後戻りはできない。もし、酷い結果を残してしまったら、もう二度と華那に会うことはできないかも知れない。
『 宣言したことを後悔する。 』 ・・・ 32 へ
『 これでいいと納得する。 』 ・・・ 22 へ
それは、華那に対する宣言と、華那の父親の言質を取ることだ。
いつも一緒にいた時はともかく、離れ離れになった今、華那の気持ちがどうなっているのかは分からない。あの時は、お互いの気持ちは手に取るように分かったし、きっと同じ思いだったに違いない。でも、今はどうなっているのか分からない。簡単に思いが変わるような人ではないことは十分に知っている。そうだとしても、それを確認するためにも、会わなければならない。それに、自分の気持ちもハッキリと伝えたいんだ。
そのためには、まず華那の父親が強く恨んでいる学歴の壁を越える必要がある。その壁を打ち壊して、華那と会ってもいいという許可を得なければならない。目を盗んで会ったとしても、それはその場しのぎにしかならない。
20時過ぎ。華那の門限や口ぶりからして、この時間帯には華那の父親は帰宅している可能性が高い。オレはドキドキと強く打ち付ける心臓を服の上から押さえながら、何度も躊躇した後で玄関ブザーを鳴らした。
「はい」
数秒待った後、インターフォンから低い男性の声が聞こえた。聞き覚えのある声。この声を聞くと、より一層心臓の鼓動が速くなる。
「隣の真鍋です」
「ちょっと待って下さい」
オレだと気付いてない様子で、華那の父親が返事をする。暫くすると玄関でガチャガチャという音がしてドアが開いた。
「こんばんは」
外にいたオレを目にし、父親は怪訝そうな表情をする。それはそうだろう。つい2週間ほど前、この同じ玄関で怒鳴り付けた相手なのだから。それに気付いたのか、開けたドアを閉めようとする。ドアノブを掴んでそれを制止すると、力任せに閉められる前に言いたいことを伝える。
「あの、もし、全国共通実力テストでお父さんが納得するような結果が出せたら、華那さんと友達でいることを許して下さい。ゴールは高校ではないことを証明できたら、認めて欲しいんです」
一瞬、オレが何を言っているのか分からない様子だったが、言葉を咀嚼した後で笑った。
「納得する結果?いいだろう。私が納得する結果を持って来たら、友達でいることを許そうじゃないか。納得できればな」
バカにしたような笑みを浮かべる父親に対し、負けじと笑みを返す。
「その言葉、忘れないで下さいね」
直後、黒井家の玄関扉は固く閉ざされた。
もう後戻りはできない。もし、酷い結果を残してしまったら、もう二度と華那に会うことはできないかも知れない。
『 宣言したことを後悔する。 』 ・・・ 32 へ
『 これでいいと納得する。 』 ・・・ 22 へ



