SIDE:A / SIDE:B

 あなた(・・・)は、薄暗くなった公園のベンチに佇む、白いブレザーを着た男子高校生を見掛けた。今にも背景に溶け込んで消えそうなその高校生を見過ごすことができず、声を掛けることにした。彼は最初は戸惑っていたものの、高校受験以降の出来事を話してくれた。それを聞いたあなた(・・・)は、彼に自分の意見を伝えた。



『 いつまで考えていても、意味がないよ。
 もう、どうすることもできないのだから、切り替えていかないとね。まだ高校1年生なんだし、出会いはこれからたくさんあるよ。失恋をする度に強くなるし、他人に対して優しくもなれる。だから、顔を上げて、次の出会いを探した方が良い。好きって気持ちも少しずつ薄れていくし、直ぐには無理でもいつの間にか忘れているものだよ。そもそも、隣の県にある全寮制の学校なんだから、3年間ずっと会うことさえできない。それに、告白もしていなければ、付き合っていた訳でもないんだから。高校生活は一番輝ける大切な時間だ。いろいろな人と出会ったり、将来に向けて礎になる貴重な経験ができる時期だ。こだわる必要はない。
 学歴にしてもそうだ。余り考え過ぎないほうが良い。出身学校なんて、一番最初に履歴書に書くくらいしかないのだから、それほど気にする必要はないさ。世の中は上位10パーセントの人間が動かしているんだよ。それこそ、偏差値70以上の人達以外はただの歯車でしかない。60も50も同じなんだ。だから、無理して頑張る必要はない。肩の力を抜いて、もっと楽に生きればいい。 』 ・・・ 61 へ



『 一番大切なことは、キミがどうしたいかだ。
 何をどうしたいのか。彼女のことが本当に好きなのかどうか。できない理由を考えることは簡単だし、自分が傷付くこともない。でも、どうすればできるのかを考えて実行することは難しい。何度も心が折れそうになるだろうし、自己嫌悪に陥ることもあるだろう。だけど、本当にキミがやりたいことであれば、頑張れるはずだ。彼女に会いたいなら、会いに行けばいい。会いに行っても会えなかったら、また会いに行けばいい。彼女の父親が偏差値云々というのであれば、実力テストで好成績を取って叩き付けてやればいい。諦めない限り、方法はいくらだってある。途中で投げ出さない限り、他人にも自分にも負けたことにはならないから。
 これは、勉強にだって言えることだ。大切なことは、どこにいるかではない。何をするかだよ。 』 ・・・ 74 へ