SIDE:A / SIDE:B

 たったの半日であっても、電源を切っていたスマートフォンの画面が明るくなった。画面表示される20件以上の着信とそれ以上のメール受信の表示。ため息しか出ない。
 着信履歴とメールを無視し、クラスメートで作ったチャットルームに向かう。サイトを開いた瞬間、目に写ったのは「おめでとう」という書き込みだった。ざっと流して見るが、そこに記入されていたのは「おめでとう」の文字だけ。推薦以外で公立高校を受験した人は、クラスの半分近くいたと思う。最初から諦めていて記念受験した人もいるため、真剣に挑んだ人は半分以下だろう。そのうち、9割以上が合格したはずだ。落ちたのは、たぶん自分を入れても3、4人程度だろう。「残念だったね」という書き込みはない。お祝いムード一色の中に、落ちたなんて書き込みはできない。オレと同じように眺めているか、ここにはいないかのどちらかだ。

>真鍋どうなったか知ってる人いる?
 その時、自分の名前が見えてドキリと心臓が跳ねる。
>連絡つかないんだよねー
>まさか落ちたとか?
>いやあ、さすがにアイツは落ちないだろー
>合格発表とか気にしないで遊びに行ってんじゃない?

 その画面を表示したまま、スマートフォンの電源を落とす。
「くそっ」
 ベッドに寝転び天井を仰ぎ見る。
 もう、本格的に友達に会うことができない。メールアドレスを変更して、電話番号をブロックして・・・何なんだよ。オレは何も悪くないのに。何で、こんなことに。


 部活を引退して以降、受験勉強に費やした日々を思い出しながら目を閉じた。  ・・・ 63 へ