反射的に足を踏み出し、鳴沢の胸ぐらを掴んでいた。
オレのことは我慢すればいいだけだ。でも、いつも一緒にいてくれる瑠架や大介を罵ることだけは許せない。
鳴沢は動揺して視線を逸らしたものの、それでも掴んでいる手を振り払い一歩下がって笑う。
「な、なんだよ・・・当たり前のことを言っただけで、何をそんなに興奮してんだよ。オレが間違ってるって言うのか。実際、オマエは落伍者で、敗北者で、オレより下の人間だろうが。バカ丸出しで髪染めやがって、そんなんで自己主張してるつもりかよ。頭が悪そうにしか見えないんだよ。実際、バカだけどなあ。そんなオマエが一緒にいるピンクと赤が、まともな訳がないだろ。それを言って、何が悪いっていうんだよ。バーカ!!」
2人のことを言われて一瞬アタマに血が上ったが、鳴沢の言葉を聞いているうちに冷静になってきた。こんなヤツを真剣に相手をするだけ時間の無駄だ。「はあ」と大きくため息を吐き、どうやって話しを終わらせようかと思案する。すると、隣にいた瑠架と大介が一歩前に出ると、カバンから紙を取り出して鳴沢に突き付けた。それは今日返却されたばかりの、入学直後に実施された全国実力テストの結果シートだった。
それが何か理解した鳴沢が2人のシートを覗き込む。その直後、鳴沢はシートと2人の顔を何度も往復し視線を逸らした。
「そんなに賢いなら、アンタの結果も見せてくれるかな?」
「そうだなあ。散々オレのダチを罵ってくれたんだ。さぞかし優秀な結果なんだろうなあ」
瑠架と大介が悪い笑顔で鳴沢に詰め寄る。
「ほらほらあ、ピンクはバカなんだって?というか、これはピンクブロンドなんだけどね」
「ウエーイ、とか言いながらポーズ決める赤髪なんだけど、オレより悪いってことはないよな?それだともう、ゴキブリ並みってことになっちまうぜ」
鳴沢は一言も反論することができず、少しずつ後ずさる。2人の成績は知らないが、相当良い結果だったに違いない。
「あ!!」
その時、唐突に鳴沢が線路の方を指差した。条件反射的に視線をそちらに送る。その瞬間、鳴沢は脱兎の如くホームの端を目指して走り出した。が、少し先で白いブレザー軍団に捕まって連行されて行った。
「あ、あの!!・・・ありがとう」
鳴沢の行方を目で追っていると、少し離れた場所から声がした。
当然、声の主は莉緒だ。
縋るような目でオレを見詰める莉緒。
言葉を返すこともなく、その場を後にする。
瑠架と大介が何度も振り返ってはオレと莉緒を交互に見ている。
―――――何か、痛いなあ。
鳴沢の挑発的な言葉も、瑠架と大介の流されない強さも、莉緒の揺るがない勇気も。
自分には何も無い。
言い返す言葉も、目指すべき場所も、心の強さも、何も無い。
『 深く考えないようにする。 』 ・・・ 45 へ
『 一人で考えてみる。 』 ・・・ 68 へ
オレのことは我慢すればいいだけだ。でも、いつも一緒にいてくれる瑠架や大介を罵ることだけは許せない。
鳴沢は動揺して視線を逸らしたものの、それでも掴んでいる手を振り払い一歩下がって笑う。
「な、なんだよ・・・当たり前のことを言っただけで、何をそんなに興奮してんだよ。オレが間違ってるって言うのか。実際、オマエは落伍者で、敗北者で、オレより下の人間だろうが。バカ丸出しで髪染めやがって、そんなんで自己主張してるつもりかよ。頭が悪そうにしか見えないんだよ。実際、バカだけどなあ。そんなオマエが一緒にいるピンクと赤が、まともな訳がないだろ。それを言って、何が悪いっていうんだよ。バーカ!!」
2人のことを言われて一瞬アタマに血が上ったが、鳴沢の言葉を聞いているうちに冷静になってきた。こんなヤツを真剣に相手をするだけ時間の無駄だ。「はあ」と大きくため息を吐き、どうやって話しを終わらせようかと思案する。すると、隣にいた瑠架と大介が一歩前に出ると、カバンから紙を取り出して鳴沢に突き付けた。それは今日返却されたばかりの、入学直後に実施された全国実力テストの結果シートだった。
それが何か理解した鳴沢が2人のシートを覗き込む。その直後、鳴沢はシートと2人の顔を何度も往復し視線を逸らした。
「そんなに賢いなら、アンタの結果も見せてくれるかな?」
「そうだなあ。散々オレのダチを罵ってくれたんだ。さぞかし優秀な結果なんだろうなあ」
瑠架と大介が悪い笑顔で鳴沢に詰め寄る。
「ほらほらあ、ピンクはバカなんだって?というか、これはピンクブロンドなんだけどね」
「ウエーイ、とか言いながらポーズ決める赤髪なんだけど、オレより悪いってことはないよな?それだともう、ゴキブリ並みってことになっちまうぜ」
鳴沢は一言も反論することができず、少しずつ後ずさる。2人の成績は知らないが、相当良い結果だったに違いない。
「あ!!」
その時、唐突に鳴沢が線路の方を指差した。条件反射的に視線をそちらに送る。その瞬間、鳴沢は脱兎の如くホームの端を目指して走り出した。が、少し先で白いブレザー軍団に捕まって連行されて行った。
「あ、あの!!・・・ありがとう」
鳴沢の行方を目で追っていると、少し離れた場所から声がした。
当然、声の主は莉緒だ。
縋るような目でオレを見詰める莉緒。
言葉を返すこともなく、その場を後にする。
瑠架と大介が何度も振り返ってはオレと莉緒を交互に見ている。
―――――何か、痛いなあ。
鳴沢の挑発的な言葉も、瑠架と大介の流されない強さも、莉緒の揺るがない勇気も。
自分には何も無い。
言い返す言葉も、目指すべき場所も、心の強さも、何も無い。
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『 一人で考えてみる。 』 ・・・ 68 へ



