公園のベンチに座り、自問するように口を開く。
「いったい、何がいけなかったんだろうな・・・」
黒井が振り向いた気配を感じるが、その口から言葉が紡がれることはない。それはそうだろう。自分に分からないことが、オレ以上に混乱していた黒井に分かっているはずがない。
「確かに、去年より倍率が上がっていた可能性もあるし、マークシートの記入ズレなんてことも有り得るけど、冷静に考えてみると、入試の結果が悪かったということなんだろうな。英語がそんなに得意な方ではないから、英語の配点が2倍というところは気にはなっていたんだよな。もしかすると、自己採点以上に悪かったのかも知れないいし、英語が得意な人が多かったのかも知れない。模試は5教科が同じ配点だから。でも、事前に高校の配点基準で合格ラインを余裕で突破していたのも確認したし、それでも落ちるとは思えないんだ。
入試を甘く見ていたかも知れない。夏休みを明けても模試の得点が伸びなかったけど、学校の先生も、塾の講師も楽勝だって言っていたんだよ。確かに、最後の模試ではギリギリ合格圏内くらいだったけど、それ以外は全部余裕だったんだ。もし、その時にボーダーラインだとか言ってくれれば、もっと勉強に時間を割いたんだ。何も言ってくれなかったら、今まで通りで合格できるって思うじゃん。息抜きにゲームなんかしなかったし、その時に注意してくれていれば、もっと勉強したんだ。オレはいつだって勉強する準備をしていたし、するつもりもあった。でも、誰も頑張れって、もっとやれって言ってくれなかったから。だから、落ちたんだよ。落ちて、明日が見えなくなったんだ・・・」
一気に言葉を吐き出し、今、自分がやってしまったことと、感じていることを理解する。誰かが客観的に見てどう思うかなんて、そんな事はどうでもいい。今の自分にはこれが正解だし、100点満点の解答だ。これ以上はない。
そんなオレの気持ちを知ってか知らずか、相変わらずベンチの端で膝を抱えている黒井が口を開いた。
「うん・・・そう、だよね」
ただの相槌だったのかも知れない。それでも、この状況の中で自分を肯定された気がして、ちょっと嬉しくなって黒井に視線を向けた。
黒井は同年代の女の子として、そんなに背が高い方ではない。今はベンチの上で膝を抱えて丸くなっているため、まるで子供のように見える。そんな黒井が思いを吐露する。
「私は、自分が望んだ訳でもないのに、小学校から女子校に入れられた。小学生の時はよく分からなかったけど、中学に進学する時には嫌だって言ったの。でも、父が公立の学校に進学することに反対して、勝手に内部進学の手続きをしてて。分からないかも知れないけど、女の子ばかりの世界って本当に大変なんだよ。だから、高校に進学するときは絶対に公立高校に行くって決めて、内部進学の試験はわざと落ちるようにしたんだ。それで、どうにか父の言う、『恥ずかしくない学校』に受かることで納得させたんだけど・・・もう、どうすればいいのか分からない・・・」
黒井はそこまで話すと、更に小さく丸まって黙り込んだ。
今日はもう、これ以上話せないかも知れない。自分も落ち着くには時間が必要だと感じる。
『 これ以上、他人に関わらないように、ここで分かれる。 』 ・・・ 110 へ
『 また話せないか、と提案する。 』 ・・・ 100 へ
「いったい、何がいけなかったんだろうな・・・」
黒井が振り向いた気配を感じるが、その口から言葉が紡がれることはない。それはそうだろう。自分に分からないことが、オレ以上に混乱していた黒井に分かっているはずがない。
「確かに、去年より倍率が上がっていた可能性もあるし、マークシートの記入ズレなんてことも有り得るけど、冷静に考えてみると、入試の結果が悪かったということなんだろうな。英語がそんなに得意な方ではないから、英語の配点が2倍というところは気にはなっていたんだよな。もしかすると、自己採点以上に悪かったのかも知れないいし、英語が得意な人が多かったのかも知れない。模試は5教科が同じ配点だから。でも、事前に高校の配点基準で合格ラインを余裕で突破していたのも確認したし、それでも落ちるとは思えないんだ。
入試を甘く見ていたかも知れない。夏休みを明けても模試の得点が伸びなかったけど、学校の先生も、塾の講師も楽勝だって言っていたんだよ。確かに、最後の模試ではギリギリ合格圏内くらいだったけど、それ以外は全部余裕だったんだ。もし、その時にボーダーラインだとか言ってくれれば、もっと勉強に時間を割いたんだ。何も言ってくれなかったら、今まで通りで合格できるって思うじゃん。息抜きにゲームなんかしなかったし、その時に注意してくれていれば、もっと勉強したんだ。オレはいつだって勉強する準備をしていたし、するつもりもあった。でも、誰も頑張れって、もっとやれって言ってくれなかったから。だから、落ちたんだよ。落ちて、明日が見えなくなったんだ・・・」
一気に言葉を吐き出し、今、自分がやってしまったことと、感じていることを理解する。誰かが客観的に見てどう思うかなんて、そんな事はどうでもいい。今の自分にはこれが正解だし、100点満点の解答だ。これ以上はない。
そんなオレの気持ちを知ってか知らずか、相変わらずベンチの端で膝を抱えている黒井が口を開いた。
「うん・・・そう、だよね」
ただの相槌だったのかも知れない。それでも、この状況の中で自分を肯定された気がして、ちょっと嬉しくなって黒井に視線を向けた。
黒井は同年代の女の子として、そんなに背が高い方ではない。今はベンチの上で膝を抱えて丸くなっているため、まるで子供のように見える。そんな黒井が思いを吐露する。
「私は、自分が望んだ訳でもないのに、小学校から女子校に入れられた。小学生の時はよく分からなかったけど、中学に進学する時には嫌だって言ったの。でも、父が公立の学校に進学することに反対して、勝手に内部進学の手続きをしてて。分からないかも知れないけど、女の子ばかりの世界って本当に大変なんだよ。だから、高校に進学するときは絶対に公立高校に行くって決めて、内部進学の試験はわざと落ちるようにしたんだ。それで、どうにか父の言う、『恥ずかしくない学校』に受かることで納得させたんだけど・・・もう、どうすればいいのか分からない・・・」
黒井はそこまで話すと、更に小さく丸まって黙り込んだ。
今日はもう、これ以上話せないかも知れない。自分も落ち着くには時間が必要だと感じる。
『 これ以上、他人に関わらないように、ここで分かれる。 』 ・・・ 110 へ
『 また話せないか、と提案する。 』 ・・・ 100 へ



