SIDE:A / SIDE:B

 元友達に気付かれないように電車に乗り、学校の最寄り駅に到着すると北口から改札を抜ける。皐月が丘駅から神楽坂高校までは、徒歩で15分ほどの距離だ。さすがに北口から出ると一面が白いブレザーの生徒しかいなくなる。同じ学校の生徒に埋もれているため恥ずかしさは感じなくなったが、見るからに自分よりも学力が低いヤツラと同類であることが悔しくて仕方がない。
 保護者同伴で登校している新入生達に紛れ、オレと華那と並んで学校への道を歩いた。

 入学式が終わると生徒達は各々のクラスへと別れることになった。
 特別進学クラスが1クラス、普通科クラスが5クラス、スポーツ科が2クラスという編成になっている。近年は特にスポーツ科に力が入っており、サッカーを始めとし、野球、男女のバレーボール、陸上部は既に全国レベルと評価が高い。1クラスの定員が40名。若干の上増減があるが、3学年で約1000名という県内ではそれなりに規模が大きい学校である。

 当然のように、オレと華那は特別進学クラスだ。後で聞いた話しだが、華那が受験に失敗した高校は国立第一高校だった。偏差値が70超という県内で一番の難関高校だ。受験当日に39度近い高熱で、まとも解答が記入できなかったらしい。この学校には新入生の挨拶という行事がないため定かではないが、入試の結果は学年1位に違いない。

 初日は担任の挨拶とクラス全員の自己紹介のみで終了した。同じ中学出身の生徒が2名いたが、幸いにも全く関わりがない人達だった。

 担任が教室を後にすると、早速クラスを仕切り始める人物が現れる。
「これから、どこかのカラオケで親睦会とかしない?」
 一応、特別進学クラスなんだから勉強しろよ。と思うが、余計なことは口にしない。揉めても面倒なだけだ。
「いいね、行こう!!」
 早速、提案に乗る女子生徒っが数名手を挙げる。それを見て、男子生徒も参加を表明する。参加人数があっという間に増え、意志表示をしていない者が5名ほどになった。

 最初に言い出した男子生徒が華那の元に近付き、馴れ馴れしく誘う。話し方も態度も下心が見え見えだ。華那はオレのほ方に向き、困ったような表情を見せる。特別進学クラスは1クラスしかないため、3年間ずっと一緒のメンバーになる。確かに、親睦を深めておいた方がいいかも知れない。しかし、それは一般論だ。それに、華那はずっと女子校だったため、異性からの強引な誘いには慣れていない。

 オレは自分の席から立ち上がり、華那の元へと歩み寄った。


『 華那と一緒に、親睦会に参加することにする。 』 ・・・ 112 へ

『 参加せず、華那と一緒に帰宅する。 』 ・・・ 8 へ