SIDE:A / SIDE:B

「知り合い?」
 そう問い掛けたが、華那は返事をすることなく彼女達の視線から隠れるように移動する。
 知り合い、ではあるようだが、そういうこと(・・・・・・)なのだろう。
 オレは声を掛けてきた桜坂高校の生徒達に背を向け、華那を隠すようにして無視を決め込んだ。華那の気持ちが、オレには痛いほど理解できる。もし、この場に元友達がいれば、きっと今の華那以上に動揺するだろう。桜坂高校の生徒達もオレの態度で察したのか、しばらくその場に居座っていたが嘆息して立ち去った。

 フードコートに向かって行く後姿を確認し、大きくため息を吐いた。
 華那はブレザーの肘辺りを掴んで動かない。
 周囲を見渡すと、いつの間にか放課後に立ち寄った高校生が溢れていた。ざっと眺めた感じでは、同級生や知り合いは見当たらない。しかし、いつ先ほどと同じことが起きるとも限らない。それに、今度はオレの関係者が現れる可能性もある。

 ショッピングモールほど健全なイメージはないが、ここ以外にも近隣にゲームセンターはある。そこであれば、ここよりも客が少ないし、まず偏差値が高い学校の生徒は出入りしない。余計なことさえしなければ、面倒なことに巻き込まれることもないだろう。そのゲームセンターはショッピングモールの近くにあり、ここから5分ほど歩いた商店街にある。


 オレはブレザーを掴んがままの華那の顔を覗き込むと、別の場所に移動する提案をした。  ・・・ 14 へ