もう、事情を説明するしかない。
ずっと一緒だった幼馴染だからこそ、自分の思いや弱さを曝け出すことが恐い。自分だけが受験に失敗し、拗ねて、捻くれて、他人のせいにして、反省することも、自分と向き合うこともせず逃げ回った。その過程で、莉緒に当たり散らして泣かした。理不尽な態度で突き放して、心無い言葉で傷付けて、優しさを踏みにじった。ちっぽけな自分が腹立たしい。泣きたくなるほど、自分が情けない。でも、だからこそ、本当のことを、言えなかったことを話さなければならない。例え、それで愛想を尽かされたとしても―――――
「莉緒、話したいことがある」
そう切り出すと、莉緒は目を見開いた。そして、すぐに笑顔で頷いた。
きっと、莉緒も勇気を振り絞って話し掛けたのだろう。安堵の表情がそれを物語っている。
改札を抜けると、ついさっきまで降っていた雨が止んでいた。
点々と光る水たまりを避けながら、幼い頃によく一緒に遊んだ公園に向かう。いつも並んで座っていたベンチはビショ濡れで座れないけれど、その場所で足を止めた。街灯の明かりが頭上から降り注いで、まるでステージ発表会に登壇しているかのような錯覚をしてしまう。いや、確かに発表会だ。自分の失敗談を笑い飛ばし、自分の弱さを吹き飛ばす。そして、今の自分が考えていることを説明するのだ。
それから1時間余り独白が続いた。
いつの間にか莉緒が泣いていたが、その理由までは分からない。
「もう、いいよ。泣かされたことも何もかも全部、大サービスで許しちゃうよ」
真っ赤な目を擦りながら、莉緒が笑みを浮かべる。まるで、今日の天気のようだ。
「ただ、その3on3の試合は見に行くから」
「あ、うん、それは構わないけど・・・」
こうして、最悪の事態を想定していた自白は簡単に受け止められ、あっさりと許されてしまった。
翌日から、日曜日の対戦に向けて練習を開始した。
もう2人とも、オレがバスケットボールの経験者だということを知っている。思う存分、本気でプレイできる。当然、少し練習したからといって現役の部員に勝てるとは思えない。それでも、何もしないよりはマシだ。可能性はゼロではない。2人とも、勝つために昼休み返上で練習してくれている。何のメリットも無いのに、オレの我がままに付き合ってくれている。
―――――が、絶望的なレベルではある。ほぼ、ドリブルはできない。早いパスは取れない。シュートはリングにすら当たらない。
『 もう莉緒とも仲直りしたし、負けてもいいかな。 』 ・・・ 21 へ
『 それでも、絶対に負けたくない。 』 ・・・ 23 へ
ずっと一緒だった幼馴染だからこそ、自分の思いや弱さを曝け出すことが恐い。自分だけが受験に失敗し、拗ねて、捻くれて、他人のせいにして、反省することも、自分と向き合うこともせず逃げ回った。その過程で、莉緒に当たり散らして泣かした。理不尽な態度で突き放して、心無い言葉で傷付けて、優しさを踏みにじった。ちっぽけな自分が腹立たしい。泣きたくなるほど、自分が情けない。でも、だからこそ、本当のことを、言えなかったことを話さなければならない。例え、それで愛想を尽かされたとしても―――――
「莉緒、話したいことがある」
そう切り出すと、莉緒は目を見開いた。そして、すぐに笑顔で頷いた。
きっと、莉緒も勇気を振り絞って話し掛けたのだろう。安堵の表情がそれを物語っている。
改札を抜けると、ついさっきまで降っていた雨が止んでいた。
点々と光る水たまりを避けながら、幼い頃によく一緒に遊んだ公園に向かう。いつも並んで座っていたベンチはビショ濡れで座れないけれど、その場所で足を止めた。街灯の明かりが頭上から降り注いで、まるでステージ発表会に登壇しているかのような錯覚をしてしまう。いや、確かに発表会だ。自分の失敗談を笑い飛ばし、自分の弱さを吹き飛ばす。そして、今の自分が考えていることを説明するのだ。
それから1時間余り独白が続いた。
いつの間にか莉緒が泣いていたが、その理由までは分からない。
「もう、いいよ。泣かされたことも何もかも全部、大サービスで許しちゃうよ」
真っ赤な目を擦りながら、莉緒が笑みを浮かべる。まるで、今日の天気のようだ。
「ただ、その3on3の試合は見に行くから」
「あ、うん、それは構わないけど・・・」
こうして、最悪の事態を想定していた自白は簡単に受け止められ、あっさりと許されてしまった。
翌日から、日曜日の対戦に向けて練習を開始した。
もう2人とも、オレがバスケットボールの経験者だということを知っている。思う存分、本気でプレイできる。当然、少し練習したからといって現役の部員に勝てるとは思えない。それでも、何もしないよりはマシだ。可能性はゼロではない。2人とも、勝つために昼休み返上で練習してくれている。何のメリットも無いのに、オレの我がままに付き合ってくれている。
―――――が、絶望的なレベルではある。ほぼ、ドリブルはできない。早いパスは取れない。シュートはリングにすら当たらない。
『 もう莉緒とも仲直りしたし、負けてもいいかな。 』 ・・・ 21 へ
『 それでも、絶対に負けたくない。 』 ・・・ 23 へ



