怠惰な時間が流れる高校生活。このまま緩やかに時間が流れていくものだと思っていたが、通常の授業によって平穏が崩れ始めた。
「今日から、バスケットボールをやるぞ。接触が多い競技だからケンカにならないようにな」
体育館に集められていた男子生徒達の反応は鈍い。特に特別進学クラスにはスポーツが得意な生徒は少ないため、体育の授業自体が盛り上がらない。そんな中、隣にいる大介だけは満面の笑みを浮かべている。
「おい、聞いたか?バスケだってよ、バスケ!!」
バスケットボールという言葉に嫌悪感を抱いているオレに気付くこともなく、肩をバンバン叩いてくる。そして、ゲージから使い古されたボールを取り出すと、その場でドリブルを始めた。お世辞にも上手いとは言えず、経験者なのかも知れないが素人に使かった。
「バスケットボールの経験者はいるか?」
体育教師の呼び掛けに応じたのは3名。その中に大介はもちろん、オレも含まれていなかった。
簡単なルール説明のあと経験者によるドリブルやバスの簡単な実演があり、早速2人1組で練習が始まった。オレは未経験者らしくボールを扱い大介に渡す。大介は小学校のときに教えられるような手順でドリブルを始める。いちいちコチラを向いて説明するので鬱陶しいが、楽しそうで何よりだ。
授業時間が半ばを過ぎた頃、体育の授業らしく経験者以外の成長が見られないまま5分間の試合をすることになった。様々なスポーツがあるが、バスケットボールほど経験者と未経験者の差が激しい競技もない。経験者がいるチームの一方的な勝利が続き、皆のヤル気が一気に下降していく。そんな中、ようやくオレと大介が所属するチームの試合が始まった。相手側に経験者がいるため、一夫的な展開になる。誰もドリブルを止められないし、逆にドリブルは全てカットされる。こんな虐殺激が面白いはずもない。それでも、大介だけは楽しそうに走り回っている。それでも、シュートの1本も打たせてもらえない。
「はあ」とため息を吐いて、すぐ隣を突破しようとする経験者のドリブルをカットする。呆気に取られている隙に、自軍のゴールに向かって山成りのパスを出した。
「大介、走れ!!」
その言葉を聞いた大介が全力で走り、ワンバウンドしたボールをキャッチした。そして、狙いすまして、シュート!!を外した。
「いやあ、楽しかったなあ」
走りまくって汗だくになった大介が、満面の笑みで近付いて来る。ちょっと汗臭い。
「せっかくパス出してもらったのに、外して悪かったな」
「素人なんだから、あんなもんだろ?いきなり入ったらスミスになれるわ」
「誰だよスミスって!!」
次の試合が始まったため、床に腰を下ろす。
「なあ、もしかして、大和はバスケやってたのか?」
不意を突かれた問い掛けに、思わず言葉に詰まった。
『 「よくぞ見抜いたな」と言う。 』 ・・・ 13 へ
『 「ドリブルもできなのに?」 』 ・・・ 82 へ
「今日から、バスケットボールをやるぞ。接触が多い競技だからケンカにならないようにな」
体育館に集められていた男子生徒達の反応は鈍い。特に特別進学クラスにはスポーツが得意な生徒は少ないため、体育の授業自体が盛り上がらない。そんな中、隣にいる大介だけは満面の笑みを浮かべている。
「おい、聞いたか?バスケだってよ、バスケ!!」
バスケットボールという言葉に嫌悪感を抱いているオレに気付くこともなく、肩をバンバン叩いてくる。そして、ゲージから使い古されたボールを取り出すと、その場でドリブルを始めた。お世辞にも上手いとは言えず、経験者なのかも知れないが素人に使かった。
「バスケットボールの経験者はいるか?」
体育教師の呼び掛けに応じたのは3名。その中に大介はもちろん、オレも含まれていなかった。
簡単なルール説明のあと経験者によるドリブルやバスの簡単な実演があり、早速2人1組で練習が始まった。オレは未経験者らしくボールを扱い大介に渡す。大介は小学校のときに教えられるような手順でドリブルを始める。いちいちコチラを向いて説明するので鬱陶しいが、楽しそうで何よりだ。
授業時間が半ばを過ぎた頃、体育の授業らしく経験者以外の成長が見られないまま5分間の試合をすることになった。様々なスポーツがあるが、バスケットボールほど経験者と未経験者の差が激しい競技もない。経験者がいるチームの一方的な勝利が続き、皆のヤル気が一気に下降していく。そんな中、ようやくオレと大介が所属するチームの試合が始まった。相手側に経験者がいるため、一夫的な展開になる。誰もドリブルを止められないし、逆にドリブルは全てカットされる。こんな虐殺激が面白いはずもない。それでも、大介だけは楽しそうに走り回っている。それでも、シュートの1本も打たせてもらえない。
「はあ」とため息を吐いて、すぐ隣を突破しようとする経験者のドリブルをカットする。呆気に取られている隙に、自軍のゴールに向かって山成りのパスを出した。
「大介、走れ!!」
その言葉を聞いた大介が全力で走り、ワンバウンドしたボールをキャッチした。そして、狙いすまして、シュート!!を外した。
「いやあ、楽しかったなあ」
走りまくって汗だくになった大介が、満面の笑みで近付いて来る。ちょっと汗臭い。
「せっかくパス出してもらったのに、外して悪かったな」
「素人なんだから、あんなもんだろ?いきなり入ったらスミスになれるわ」
「誰だよスミスって!!」
次の試合が始まったため、床に腰を下ろす。
「なあ、もしかして、大和はバスケやってたのか?」
不意を突かれた問い掛けに、思わず言葉に詰まった。
『 「よくぞ見抜いたな」と言う。 』 ・・・ 13 へ
『 「ドリブルもできなのに?」 』 ・・・ 82 へ



