ただ、君に笑っていてほしかった。~30日の奇跡と、空白の19日の秘密~

葉月(はづき)は、なにかやりたいことないの?」
『やりたいこと、か……』
 特にない、なぁー。
「行きたいところがあるなら、ついていくけど……」
『……ない、なぁー』
 ない。
 本当にない。
 そもそも、俺は自殺だ。
 この世に未練なんてない。
「それじゃあ困るんだけど……。はあー。琉偉(るい)のときは、もっとやりたいこととか行きたいところとかいっぱいあって、楽だったのに」
 なんか、申し訳ない。
「どうする?遊園地でも行く?」
『遊園地とか、修学旅行以来かも』
「え、そうなの?うち、めっちゃ行くけど」
『……俺は、あんまり行ってない。他の家族はよくいってたけど』
 言っちゃった。
 どうしよう。
「え、っと、どういうこと?葉月(はづき)だけ、行ってない、ってこと?」
『まあ、そんな感じ。……ほら!中学の途中から勉強に力入れてたからさ、あんまり遊びに行ってなくて……。誘われても、断ってたんだよね』
「……井塚(いづか)とか(まこと)くんとは遊びに行ってたのに?」
『うっ……。なんで知ってるの?』