「んんっ」
　目を開けると、周りは、一面真っ白な世界になっていた。
　ここは……、一体どこなのだろう。
「あーっ！やっと目覚めたー。遅いよー……。もう、3日だよ？残り46日しかないじゃん」
　3日？残り？46日？
　一体、なんのことなんだろう。
「あの、どちら様……」
「あ、私？私は、天使！……名前とかは、特にない、かな。好きなように呼んでよ。……あ、前に担当してたコは、私のこと『天音(あまね)』って呼んでくれたよ～？」
「あ、じゃあ、天音(あまね)さん、で。よろしくお願いします」
　天使、か……。
　やっぱり俺は、死んだんだ。
「ほんとは、死んでから49日間、幽霊として地上で暮らしてもらうんだけどさー。君、3日も寝てたんだよね。だから、残り、46日。……あ、49日間地上にいるのは、神様にも、この後の運命を決める時間が必要だからだよ。天国に行くのか、地獄に行くのか、それともすぐに生まれ変わるのか」
　幽霊、か……。
「君には、君のことが唯一視える人と一緒に過ごしてほしいの」
「俺のことが、唯一視える人？」
　それって、一体、誰なのだろう。
「じゃあ、特別にヒントをあげる！君は、3日間なにもできなかったもんね！……君と同じ学校で、同じ中学出身の人だよ」
　……はい？
「それでー、女の子！」
　じゃあ、雪宮(ゆきみや)さん、那々(なな)、関(せき)さん、唯(ゆい)の4人の内の誰か。
　……できれば、男子が良かったなぁ。
「よし！じゃあ、今から、君をその子の近くに移動させるね！……早く見つけてよー」
　自分勝手な奴……。