リアは、消えた映像の余韻に包まれたまま、しばらくその場から動けなかった。
自分の中にある“ルクシミウム・コア”。
それが、記憶や感情に反応し、世界を変えるほどの力を持っているという事実。
そして、それが“人を救うために”作られたというサンティスが託した希望。
「……だから君は、生きている」
男の声に、リアは、はっと振り返る。
そこにいたのは、静かに佇むセリオだった。
まるで、ずっとそこにいたかのように、静かに立っていた。
「……どういう、こと……?」
リアの声は、少しだけ震えていた。
セリオは彼女をまっすぐに見つめながら、まるで優しく諭すように語り出す。
「サンティスは止められなかった実験の失敗に責任を感じていた。実験後、すぐにノアレの町へ駆けつけた。光の中に消えた町の中で、サンティスは君を見つけた」
「わたし……」
「ルクシミウムの事故で、君の命は尽きかけていた。それでもまだ、かすかに生きていた──サンティスにとって、君は唯一残された希望だったんだ。皮肉なものだよな。町を消し去ったその光が、君の命を救ったんだから。君の中に埋め込まれた、“コア”によって」
リアは無意識に、自分の胸に手を当てる。
「……じゃあ、わたしは……」
「……ただの人間なんかではない。君は、特別な存在だ。その命も、心も、すべてに意味がある」
セリオの声は、どこまでも穏やかだった。
「けれど……あのとき、命をつなぐために、君の記憶や感情が代償として使われた。君がノアレで家族と共に過ごした15年間の記憶と積み重ねてきた感情は、コアの中にすべて、吸収された。生命を維持するために、コアのエネルギーとして消費されてしまったんだ」
リアの目が大きく見開かれる。
「……だから、私は何も覚えていないんだ……家族も、この町のことも……」
「君は、光そのものを宿している。それは素晴らしい奇跡だ。ただの人間なんかじゃなく、誰かの光になれるんだよ。君の中で眠る力さえあれば、この世界に平和をもたらすことだってできる」
セリオはゆっくりと歩み寄り、膝をついてリアの視線の高さに合わせた。
「消費された記憶は、確かに戻らない。だが、君の中に新しく生まれた記憶や感情は、すべてコアのエネルギーになる。この国に勝利をもたらす兵器として……それは、世界を平和に導く“抑止の象徴”となる存在だ! たとえ君がそれを望まずとも、君の中にあるその力が、世界を変える恐怖と希望になるんだよ!」
リアの瞳に、確かな困惑の色が浮かぶ。
背筋に走る寒気。
それでも、何かを信じたかった。
「私、ここに……この町を消し去ったあの“爆弾”を、抱えて生きてるの……?」
胸で脈を打つものに、震える手をそっとあてる。
彼女の中で、光と影が交錯していた。
「君はまだ使える! その力は、世界中に希望をもたらすんだ!」
セリオの瞳が揺れた。
だが、それを抑えるように、穏やかに微笑んで言う。
「私は信じているよ。きっと、サンティスもそうだ。君がこの世界を変えてくれると」
「私は……兵器として使われるために今、生きているんですか?」
リアは、自分でも気づかぬまま、恐る恐る問いかけていた。
セリオは唇の端だけで笑い、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……君が選ぶんだ。自分を“どう使うか”を。そのために、今こうして過去を知ろうとしているんだろう?」
その言葉は、冷たく、リアの胸に侵食する。
自分の中にある“ルクシミウム・コア”。
それが、記憶や感情に反応し、世界を変えるほどの力を持っているという事実。
そして、それが“人を救うために”作られたというサンティスが託した希望。
「……だから君は、生きている」
男の声に、リアは、はっと振り返る。
そこにいたのは、静かに佇むセリオだった。
まるで、ずっとそこにいたかのように、静かに立っていた。
「……どういう、こと……?」
リアの声は、少しだけ震えていた。
セリオは彼女をまっすぐに見つめながら、まるで優しく諭すように語り出す。
「サンティスは止められなかった実験の失敗に責任を感じていた。実験後、すぐにノアレの町へ駆けつけた。光の中に消えた町の中で、サンティスは君を見つけた」
「わたし……」
「ルクシミウムの事故で、君の命は尽きかけていた。それでもまだ、かすかに生きていた──サンティスにとって、君は唯一残された希望だったんだ。皮肉なものだよな。町を消し去ったその光が、君の命を救ったんだから。君の中に埋め込まれた、“コア”によって」
リアは無意識に、自分の胸に手を当てる。
「……じゃあ、わたしは……」
「……ただの人間なんかではない。君は、特別な存在だ。その命も、心も、すべてに意味がある」
セリオの声は、どこまでも穏やかだった。
「けれど……あのとき、命をつなぐために、君の記憶や感情が代償として使われた。君がノアレで家族と共に過ごした15年間の記憶と積み重ねてきた感情は、コアの中にすべて、吸収された。生命を維持するために、コアのエネルギーとして消費されてしまったんだ」
リアの目が大きく見開かれる。
「……だから、私は何も覚えていないんだ……家族も、この町のことも……」
「君は、光そのものを宿している。それは素晴らしい奇跡だ。ただの人間なんかじゃなく、誰かの光になれるんだよ。君の中で眠る力さえあれば、この世界に平和をもたらすことだってできる」
セリオはゆっくりと歩み寄り、膝をついてリアの視線の高さに合わせた。
「消費された記憶は、確かに戻らない。だが、君の中に新しく生まれた記憶や感情は、すべてコアのエネルギーになる。この国に勝利をもたらす兵器として……それは、世界を平和に導く“抑止の象徴”となる存在だ! たとえ君がそれを望まずとも、君の中にあるその力が、世界を変える恐怖と希望になるんだよ!」
リアの瞳に、確かな困惑の色が浮かぶ。
背筋に走る寒気。
それでも、何かを信じたかった。
「私、ここに……この町を消し去ったあの“爆弾”を、抱えて生きてるの……?」
胸で脈を打つものに、震える手をそっとあてる。
彼女の中で、光と影が交錯していた。
「君はまだ使える! その力は、世界中に希望をもたらすんだ!」
セリオの瞳が揺れた。
だが、それを抑えるように、穏やかに微笑んで言う。
「私は信じているよ。きっと、サンティスもそうだ。君がこの世界を変えてくれると」
「私は……兵器として使われるために今、生きているんですか?」
リアは、自分でも気づかぬまま、恐る恐る問いかけていた。
セリオは唇の端だけで笑い、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……君が選ぶんだ。自分を“どう使うか”を。そのために、今こうして過去を知ろうとしているんだろう?」
その言葉は、冷たく、リアの胸に侵食する。
