「隊長!報告です!」
夜間巡回を担当していた警備隊員からの無線だった。
その音は、張り詰めた空気の詰所に響く。
「正規軍の紋章をつけた男たちが、民家を一軒ずつ回っています! 聞き込みのようですが、武装も確認。かなり張り詰めた様子です!」
町の各地で、見慣れぬ影が動き出していた。
「……軍からの町への正式な通達は一切ない。こんな夜中に、手続きをすっ飛ばして動くなんて──よほどの緊急事態か、それとも……」
カイは地図に視線を落としながら、低く呟いた。
「……表に出せない目的があるとしか思えねぇな」
静かに息を吐き、すぐさま無線に向き直る。
「各班に伝達。至急、警備に回れ。周辺住民の安全確保を最優先とする。接触は慎重に。相手は軍の装備を持っている。絶対に死傷者を出すな」
「了解!」
各班からの応答が次々に返ってくる中、カイはもう一度地図を睨みつけた。
そして、無線を切り替える。
「イファ、聞こえるか」
「……はい、隊長」
カイの声が、今度はいつになく真剣だった。
「お前は今すぐリアちゃんのところへ行け」
「……っ」
「この動き……陽動作戦で間違いないだろう。今一番危険なのは、おそらく彼女だ。セリオの仕業か知らねぇが、町もリアちゃんも守るぞ。行け、イファ!」
カイの声が一段強くなる。
「必ず守れ!」
「はいっ!」
イファは全力で駆け出した。
ランタンの灯りが大きく揺れる。
闇の中に吸い込まれていった彼女が残した笑顔が、何度も何度も脳裏をよぎった。
夜間巡回を担当していた警備隊員からの無線だった。
その音は、張り詰めた空気の詰所に響く。
「正規軍の紋章をつけた男たちが、民家を一軒ずつ回っています! 聞き込みのようですが、武装も確認。かなり張り詰めた様子です!」
町の各地で、見慣れぬ影が動き出していた。
「……軍からの町への正式な通達は一切ない。こんな夜中に、手続きをすっ飛ばして動くなんて──よほどの緊急事態か、それとも……」
カイは地図に視線を落としながら、低く呟いた。
「……表に出せない目的があるとしか思えねぇな」
静かに息を吐き、すぐさま無線に向き直る。
「各班に伝達。至急、警備に回れ。周辺住民の安全確保を最優先とする。接触は慎重に。相手は軍の装備を持っている。絶対に死傷者を出すな」
「了解!」
各班からの応答が次々に返ってくる中、カイはもう一度地図を睨みつけた。
そして、無線を切り替える。
「イファ、聞こえるか」
「……はい、隊長」
カイの声が、今度はいつになく真剣だった。
「お前は今すぐリアちゃんのところへ行け」
「……っ」
「この動き……陽動作戦で間違いないだろう。今一番危険なのは、おそらく彼女だ。セリオの仕業か知らねぇが、町もリアちゃんも守るぞ。行け、イファ!」
カイの声が一段強くなる。
「必ず守れ!」
「はいっ!」
イファは全力で駆け出した。
ランタンの灯りが大きく揺れる。
闇の中に吸い込まれていった彼女が残した笑顔が、何度も何度も脳裏をよぎった。
