Excalibur

◇駅前周辺広場◇

 キィィン……。
 エンジンが凍結、戦闘機の動力が落ちた。
「くッ、化け物め……ッ」
 歯を食い縛るサンダー。ガクン。落ちる高度。操縦が効かない。
 ――青海駅周辺上空は、最早ハイドラの圏内だった――。



 パキキ――……。
 上空で、サンダーの乗っていた戦闘機のエンジンが不意に凍結――。
「くッ、……離脱するしかないのか……ッ」
 ゴォォォォ――……。
 火煙をあげながら、高度を落としながら遠心力で彼方に消えてゆく。



 キィィィイ――……。
 上空へと飛んで行ったかにみえたエスタが舞い戻って来る。
「……」
 上空を見上げるハイドラ。彼女の神霊探知が、謎の加速体を捕捉済みだ。
 フィィ、――ギャギャギャ――……。
 遥か遠方のレール上から、リニアの様な滑走音が急接近してくる。
「ハイドラ様っ!」
 ――ト゚っ、
 地面に着地したエスタが慌ただしく叫び立てる。
「……「お仲間」とやらは、良いのか?」
「それどこじゃないっ! 変な奴が旧遺跡の跡地……この青海駅に来るっ!」
「……えぇ。それ程力は強くない。ただの人間だ。私一人で大丈夫だと思うけど?」
「いや、……何か不気味な奴なんだよっ! 変な力を使ってるのっ!」
「……」
 ハイドラの懸念を、エスタも同様に感じている様だ。

 ◇青海駅コンコース◇

オォオォオ――……。
夜の巨大駅前。
ネオン広告、豪雨、蒸気、火花、群衆の悲鳴。

巨大なデジタルサイネージには
「BLUE THUNDER」のロゴが点滅。

高架線路の下では、
ハイドラとエスタが背中合わせに構える。

ガッ、ゴロゴロ――…。
遠方――。
雷鳴。

次の瞬間、
木崎直人が電磁スパークを撒き散らしながら、
リニアのような速度で駅構内を滑走。





地面が爆ぜ、
青白い火花が線路沿いに走る。



【映像】
https://videotourl.com/videos/1779081082689-1d49d805-f66c-48ef-a535-066b131604d1.mp4
(駅前周辺での対決)



エスタ
「来るよ、ハイドラ!!」

ハイドラ
「……遅い。」

直後、
巨大な氷柱が駅ホームを貫通。

木崎は壁面を蹴り、
瞬間移動じみた軌道変更。

青い残像が幾重にも分裂する。

ゴォォォンッ!!
――轟音。

拳。
蹴り。
氷。
雷。
紫電。

ガラスが砕け、
電車が横転し、
豪雨の駅前が戦場へ変わる。

エスタが低空スライドで突撃。

「せぇぇぇい!!」

紫の斬撃が空気を裂く。

木崎は無言のまま、
肘打ちと膝蹴りで迎撃。

衝撃波で券売機が吹き飛ぶ。

その背後から、
ハイドラが静かに右手を掲げる。

「凍れ。」

瞬間――
駅前広場一帯が凍結。

氷の花が地面を侵食し、
敵の逃げ道を封鎖。

バチィッ!
木崎の脚から
さらに巨大な電磁スパーク。

バキィッ!!
強引に氷を砕いて突破。



エスタ
「まだ来るの!?!」

ハイドラ
「……なら、潰す。」

二人は同時に突撃。
風と氷のコンビネーション。

吹雪の中、
エスタが高速回転。

ハイドラが氷の槍を連続生成。

そして――
雷と氷が正面衝突。

駅前全体が
白と青の閃光に飲み込まれる。




「ハイドラ、奴が逃げたよっ!」
「……ふん、ハエみたいな奴だ」

 おぉおぉお――……。
 直人の駆け上がったビルを揃って見上げる二人。
 
「追うよ、ハイドラっ」
「……わかってる……」
 フワリ――。中空に浮き上がるエスタ。
 ハイドラは創り出した氷柱に乗り、ビル屋上へ。