「姉さんは大事に育てられた深窓の貴族令嬢だ。だから、王家側近の仕事を知らないし、本来ならその必要もないんだけど……側近の特権を与えられるためだけに、彼らは王の周囲を囲んでいる訳ではない。私的な時間も常に侍ることもそうだけど、王や王太子がもし恋愛関係になりそうな女性と話している時だって、決して、彼を一人には……女性と二人きりには出来ないんだ」
「それって、恋愛に至りそうな会話も、全部……側近には聞かれてしまうってこと?」
それは、嫌だ……たとえ、幼い頃から一緒に居た親しい友人同士だとしても。
「役目上、仕方ない。だからこそ、側近は王家に近く血筋の良い高位貴族の息子だけしか居ないだろう? 余計なことを言うようなお喋りは、そもそも弾かれて側近になんてなれないよ。それに暗殺や誘拐の危険を防ぎ、近付く相手を見張る役目だって担っている。いかにも王族警護のためといった物々しい格好をした、野暮な護衛騎士とはまた別に、だよ」
「あ。そういえば、ジョサイアは軍で訓練も受けていたって、聞いたことがあるわ……」
「それって、恋愛に至りそうな会話も、全部……側近には聞かれてしまうってこと?」
それは、嫌だ……たとえ、幼い頃から一緒に居た親しい友人同士だとしても。
「役目上、仕方ない。だからこそ、側近は王家に近く血筋の良い高位貴族の息子だけしか居ないだろう? 余計なことを言うようなお喋りは、そもそも弾かれて側近になんてなれないよ。それに暗殺や誘拐の危険を防ぎ、近付く相手を見張る役目だって担っている。いかにも王族警護のためといった物々しい格好をした、野暮な護衛騎士とはまた別に、だよ」
「あ。そういえば、ジョサイアは軍で訓練も受けていたって、聞いたことがあるわ……」



