夫の訃報を聞いた妻が部屋に篭もりきりで返事もしないというと、もしかしたら……という、心配をしても仕方ないかもしれない。
けれど、あまりにもショックが大き過ぎる私にとっては、それもこれもどうでも良いことだった。
「ぐずっ……クウェンティン!! これがっ……泣かないでっ……どうするっていうのっ! 夫が私と一度も会わないままで、亡くなってしまったのよっ!!」
夫アーロンが幼い頃に拾い教育しとても可愛がっているという執事クウェンティンは、少し変わっていて無表情で感情を見せることがない。
だから、アーロンが死んだと聞いても、いつも通りの様子だった。
……何と言って例えれば良いのか、まるで人形のように人間らしい気持ちを出すことが全くない。
今だって嘆き悲しむ私を見ても、表情を変えることはなかった。
「ああ……ですが、奥様。こうなってしまっては、旦那様とお会いしなくて、幸いだったかもしれないです。こうして、亡くなったものは仕方ありませんし、奥様の悲しみの深さとて会ってからよりも浅くなるでしょう」
けれど、あまりにもショックが大き過ぎる私にとっては、それもこれもどうでも良いことだった。
「ぐずっ……クウェンティン!! これがっ……泣かないでっ……どうするっていうのっ! 夫が私と一度も会わないままで、亡くなってしまったのよっ!!」
夫アーロンが幼い頃に拾い教育しとても可愛がっているという執事クウェンティンは、少し変わっていて無表情で感情を見せることがない。
だから、アーロンが死んだと聞いても、いつも通りの様子だった。
……何と言って例えれば良いのか、まるで人形のように人間らしい気持ちを出すことが全くない。
今だって嘆き悲しむ私を見ても、表情を変えることはなかった。
「ああ……ですが、奥様。こうなってしまっては、旦那様とお会いしなくて、幸いだったかもしれないです。こうして、亡くなったものは仕方ありませんし、奥様の悲しみの深さとて会ってからよりも浅くなるでしょう」



