「ブランシュは、何が好きなんだ?」

「私が、何が好き……ですか?」

 アーロンが帰って来て数日後、朝食時に夫に質問され、彼が何を聞きたいのかよく理解出来なくて、私は首を傾げた。

 将軍職にあるアーロンは、戦勝して帰って来てからというもの何日経っても忙しい。

 戦争の後処理や、その後に国家間で交わす重要文書などにも彼は関わるらしく、時間に追われる多忙な日々が続いていた。

「ああ……日々、好む食事だったり、なんでも良い。教えてくれ」

 アーロンは帰ってきた日以来、私の前で誰かを怒鳴りつけたりすることはなかった。