アミは気づかず走りまわっている。アミ、おまえ、分身してるぞ。
俺はやれやれとそのパンツをひろう。と、アミが俺のところに来て、俺を見上げた。困った顔で。返してほしいらしい。

無事、アミにそのパンツを履かせ、玄関のわきにあるネコ草の成長をいっしょに見る。植木鉢ですくすく育っている。
(アミ、食べないんだよな。ネコ草)

体毛がほとんどないから身体も舐めないし、だから毛玉を飲み込むこともない。ネコ草を食べる必要もない。
(はっ!!
もしや、親がいないから、ネコ草の食べ方わかんないのか!?)
ど、どうしよう。
俺が食べて見せるわけにもいかないし……

俺が冷や汗をだらだらかいているうちに、アミは俺の右足に頭を乗せて寝てしまった。
う、動けない……これから暑くなるから家に入らなきゃなのに……
(足しびれた……)