仕事の時は部屋のドアを閉めておくが、そうでない時は少し開けておく。風呂に入っている時も。
夕方、少し時間に余裕があったので、茜色に染まる夏空を楽しみながら風呂に入っていたら、
くもりガラスの向こうで小さな影がうごうごしていた。
家中俺を探して歩いたのであろうアミが、風呂のドアの隙間からちょこんと顔を見せる。「こんにちは」とでも言いたげに。
何でそんなにひかえめなんだよ。今日は。
いつもは暴れ馬のくせに(ネコ)。
「腹減ったか? アミ」
アミは目をくりくりさせている。入ってくるでもない。ちょこんと顔だけ見せる。
「お風呂で遊びたいの?」
ネコってわけのわからん生き物だ。気まぐれでワガママでマイペース。うちの子は特にそうだと思う。
「アミ。
もうすぐ俺上がるから、いっしょにごはん食べような」
ちょこん。
寂しがり屋で甘えん坊。
そんなアミが心から愛しい。ほんっとうに可愛い。
そして気づく。
アミに構って欲しいのは、
寂しがり屋で甘えん坊の俺だ。
2025.07.03
蒼井深可 Mika Aoi
夕方、少し時間に余裕があったので、茜色に染まる夏空を楽しみながら風呂に入っていたら、
くもりガラスの向こうで小さな影がうごうごしていた。
家中俺を探して歩いたのであろうアミが、風呂のドアの隙間からちょこんと顔を見せる。「こんにちは」とでも言いたげに。
何でそんなにひかえめなんだよ。今日は。
いつもは暴れ馬のくせに(ネコ)。
「腹減ったか? アミ」
アミは目をくりくりさせている。入ってくるでもない。ちょこんと顔だけ見せる。
「お風呂で遊びたいの?」
ネコってわけのわからん生き物だ。気まぐれでワガママでマイペース。うちの子は特にそうだと思う。
「アミ。
もうすぐ俺上がるから、いっしょにごはん食べような」
ちょこん。
寂しがり屋で甘えん坊。
そんなアミが心から愛しい。ほんっとうに可愛い。
そして気づく。
アミに構って欲しいのは、
寂しがり屋で甘えん坊の俺だ。
2025.07.03
蒼井深可 Mika Aoi



