「ホームズさん……ありがとう。嬉しいです。」



気づいたら、私は彼の胸に抱きついていた。


一瞬、ホームズの肩がピクリと動く。


見上げると、彼の耳がほんのり赤い。




「……推理で人を喜ばせるのも、悪くないものだな。」



「ふふっ、ホームズさんったら、照れてます?」



「馬鹿を言うな。単なる“観察結果”だ。」



クールに装う声の奥で、わずかに笑いを含んだ優しい響き。

その静かな照れ隠しが、たまらなく愛おしい。