この一週間は、長かった。
熱が出たのに気づいたのは夕暮れだった
寝てた最初の2日は辛かった
でも辛かったのは覚えてない
考えると額が痛むから
身体がカッカしてたから
歩いてみるとフラフラで
頭の中もフワフワと
下熱しても家族とは離れてる
まるでホテルにいる気分
朝昼夕のルームサービス
一人で椅子に座って
夕食口に運ぶ
テレビ電話してみたりして
貴方たちを感じてみる
テレビ代わりのスマホ
見ながらギガを心配し
身体は汚いばっかりで
髭も伸び放題
髪には天然のポマードつけて
不潔を纏う非日常
気持ち悪い気持ちより
珍しい気持ちが勝っちまう
外を見てみても
中を見てみても
変わり映えのない風景
変わるのは
主の体調ばっかりか
貴女に言われて散歩に出れば
田舎道は夕暮れ
野球少年にサッカー少年
朱色に染まる空に
時報のチャイム
焼き芋売る声聞こえ
秋の季節を感じてる
逢魔ヶ時の所以も
わかった気がする宵の口
我の隣走るバイカーよ
汝は人か妖
帰り道を歩いてみれば
一週間の走馬灯
黒ずむ空よ
さっきの朱色を
どこへやった
さっきの空鼠色を
どこへやった
さっきの浅葱色を
どこへやった
寂しいね
淋しいね
サビシイネ
さびしいね


