その日の夕方頃。
 セナ含む三人はリクスの故郷であるリティス村を出た。

「そういえば気になってたんだけど、いつも何処で寝泊まりしてるの?」

 リクスはふと疑問に思っていたことを口にする。セナとルソンはそんなリクスの疑問を同時に答え解消する。

「森だけど?」
「森よ?」

 リクスの疑問は解消されたが、リクスの中で少しばかりの不安が生まれる。

「えっと、それって野宿ってこと……?」
「そうね。そうなるわね」
「へ、へぇ~、何か出たりしないよね?」

 リクスの不安げな声にセナの隣を共に歩くルソンが反応する。

「何かってなんだ?」
「熊とか?」
「あー、まあ、基本、火を焚いて、交代で見張りをするから、大丈夫だ。でも、熊の種類にもよるな」
「そうなの? なら、良いんだけど……」

 外での野宿には危険が伴うこともあるが、セナとルソンは今まで交代で見張りをしながら今まで夜を過ごしてきた。

 けれど、リクスが加わったことにより、見張りの交代時間も改めて決めなければいけなくなったのだ。

 赤く染まる夕日がセナ含む3人の姿をそっと照らしていた。

 あの日、私が城の外に出るという選択をして居なかったら、今に繋がる未来はなかっただろう。私達の旅はまだ長い。
 この先に何が待っていようと私は進み続ける。