私が騎士団の営所へ訪れ、エリックに「騎士に任命します」と告げてから4ヶ月が経ち、季節は春から夏に移り変わろうとしていた。
「殿下、今日も仕事頑張ってくださいね」
「ええ、ありがとう、エリック」
一回目。エリックに騎士勧誘を断られた後、私は何回もめげずにエリックがいる騎士団の営所へと足を運んだ。
メンタルの弱く、今まで望んでも手に入らない物はすぐ諦めていたが、絶対にエリックを私の騎士にしたい。とそう強く思っていた私が諦めることはなかった。
そして3ヶ月目。
とうとう私の思いが伝わったのか、それとも私の熱意に根負けしたのかはわからないが、エリックは私の騎士になることを受け入れてくれた。
「じゃあ、また夕方頃、参りますので」
「ええ、お互い頑張りましょう」
私はエリックを見送ってから、執務室の机の上に置かれている昨日よりかは少し減った書類に目を向ける。
「よし、やりましょう」
メンタルが弱くて些細なことで病んでしまう私だけれど、それでも自分が欲しいもの、こうなりたいと思っている物は諦めなければ手に入れられることもあるのだと。私は彼を通して実感した。
これからはメンタルが弱く、些細なことですぐ病んでしまう王女という印象をもっと良いものに変えていく為に努めていこうと私は強く思ったのだった。


