「っぶな!」
並んで下る部活後の階段。
よそ見して踏み外した私を彼が支えてくれた。
「あ、りがと」
「こっから恋が始まったり? なんてなー。落ちるなよ?」
心配だなぁとこぼす彼。
もうとっくに落ちてる私は、どうしたらいい?
再び横目に彼を見る。
ここで私が背中を押しても、きっと君は落ちてくれない。


『君は落とせない』

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